料理中、コンロの火で服が燃える「着衣着火」に注意!燃えやすい服には特徴がある。火がついてしまったときの対処方法とは
衣服にコンロなどの火がついて燃え上がる現象を「着衣着火」といい、毎年100人前後の死者が発生しています。今の時期は、厚着により火に近づいても熱さを感じにくく、気づかないうちに着衣着火が発生してしまう恐れがあるため特に注意が必要です。実際の事故事例や対策、燃えてしまったときの対処方法をお伝えします。 【写真】火がつきやすい服の特徴 * * * * * * * ◆実際に発生した事故の例 調理中に衣服の袖や裾がコンロの火に触れてしまうことによる事故が多く発生しています。 【実際の事例】 ・コンロの奥にある鍋を取ろうとして衣服の袖に火がついた ・コンロに背を向けてテレビを見ていたところ、背中に火がついた ・コンロの上にあるフックに調理器具をかけようとした際に火がついた ・コンロの向こうに落ちた食材を拾おうとして火がついた ・調理中に上半身をかがめた際に、コンロの火が衣服に燃え移った コンロによる着衣着火は、特に高齢者に多く発生しています。これには、判断力や運動能力の低下により素早い消火ができないことに加え、白内障によりコンロの青い炎が見えづらくなり、意図せず火に近づきすぎてしまうことなども関係していると考えられます。 着衣着火は消火が遅れると重いやけどや火災につながる恐れもあるため、調理時に着用する衣服やコンロの使い方を見直し、未然に防ぐことが大切です。
◆着衣着火を防ぐためには ・火がつきやすい服に注意 調理の際はストールやマフラー、裾や袖が広がったデザインの服、紐のついた服の着用は避けるようにしましょう。 また、衣服の生地が細かく毛羽立っていると、わずかな炎が接触しただけで毛羽部分に火がつき、生地の表面を瞬間的に火が走る「表面フラッシュ」という現象が起こることがあります。綿やレーヨンなどの燃えやすい素材のもの、洗濯を繰り返して毛羽立ったものは表面フラッシュが起こりやすいため要注意です。 ・コンロの周りを整理する コンロ周りにある調味料や調理器具を取ろうとして、衣服の袖や裾が火に触れ、着衣着火が発生してしまうことがあります。 なるべくコンロ周りには物を置かないようにし、コンロの奥や上に手を伸ばす際は火を消してからにしましょう。 ・火力を調整する 鍋から炎がはみ出さないよう、適切な火力に調整しましょう。 ・防炎品を使用する 調理の際は、火に触れても燃えにくい素材で作られた防炎エプロンや防炎アームカバーを着用すると安心です。