結局、東大じゃなかったけど…悠仁さま筑波大学進学で宮内庁を悩ませる「頭痛のタネ」
● 秋篠宮家が学習院を 忌避するのは当然 秋篠宮皇嗣家の悠仁さまが筑波大学生命環境学群生物学類の推薦入試に学校推薦入試で合格された。東京大学志望ともいわれたが、もともと希望されていなかったのか、反発を考慮されて断念されたのかは不明だ。 国民のムードは、理由はよくわからないが、「東京大学へ行ってほしくない」流れだったので、この決定は好感を持って迎えられており、秋篠宮家に対するバッシングの流れが変わるといいと思う。 ただ、将来の天皇にとって、東京大学のほうが幅広い分野の碩学がいて、筑波大学附属高校の同級生も多く進学し、地理的にも赤坂御用地から近く、警視庁の警備体制も取りやすい利点は大きかった。 勉学のみならず、公務をはじめ、帝王学を学ぶためには、無理のない選択だったが、「東京大学だけはガチンコの忖度なしでなければ行ってほしくない」という東京大学を特別視した意見や「一般入試で国民と同じ土俵で競うべきでない」「A0入試は忖度があったと受け取られるから一般入試以外で東京大学を目指すべきでない」などという人もいて八方ふさがりだった。 また、「学習院は皇族のための学校であり、皇族のために忖度をしていいのは学習院だけ」という歴史的にも法的にも実態的にも誤った主張が流布されて、多くの国民もそれを信じ、自由な選択を妨げたのも気の毒だった。 眞子さん、佳子さまは国際基督教大学(ICU)に転じ、愛子さまは限定的にしか通学されず、キャンパス・ライフも楽しまれなかった。3人の内親王に良い環境を提供できなかったのだから、私は秋篠宮家が忌避するのは当然だと思う。
● 筑波大学進学で懸念される 通学面における課題 しかし、せっかく筑波大学に決められたのだから、今回の記事では、筑波大学進学における課題を考えてみたい。まず、心配なのは通学だ。とりあえず、赤坂御用地にある秋篠宮邸から車で通われることになりそうだ。 愛子さまが学習院大学に登校されたのは、4回生の時だけで、ゼミなど限定的なものだった。だが、その際には、数台の車列を組み、教室の入り口に1人、建物の出口に3~4人、歩かれる方向に数人の合計8人ほどが警戒していた。現在の日本赤十字社への通勤も同様の態勢だ。 皇位継承権者でない愛子さまに比べ、危険が大きい悠仁さまの場合、より厳重な態勢が必要だ。赤坂から筑波までは片道1時間半程度かかり、しかも、東京から埼玉・千葉県を通って茨城県に入るので、警視庁と埼玉・千葉・茨城県警の連携が必要になるし、動員する車も人数も増える。 一方、筑波に住まわれて必要に応じて東京と行き来されるなら、警備上も知事公邸クラスの宮邸に類するものが必要だ。あるいは、塀のある敷地内に建つ警察の官舎などの一角を充てて、警官や侍従と同じ棟に滞在いただくことは可能かもしれないが、いずれにせよ、準備に時間も費用もかかるし、費用については批判が出るだろう。 筑波大学のキャンパスは塀がないし、広いから、警備は楽ではない。また、「イスラム教を冒とくしている」として問題になった小説『悪魔の詩』の翻訳者殺害事件が1991年に起きたこともある。警備を手厚くすべきだ。 私は「京都大学に進まれて、京都御所に隣接した大宮御所にお住まいになったらいい」と提案し、関係者にも勧めたこともある。大宮御所は老朽化しているし、外国の賓客を招くにも適当な場所でなく、いずれ大改修が必要なので、良い機会だから改修して住まわれたら警備もやりやすい。だが、必要に迫られての秋篠宮邸改修ですらあれだけ誹謗されたのだから、ひどい批判が予想された。ともかく、筑波大学へはまずは車で通学されて、夏休みごろに再検討するのだろう。