「庶民の味方」「種類が多くて悩む」…QBBの六甲バター、「チーズの種類多すぎ」を生む組織作りの”秘訣”は「開発先導型」な社風にあった!
例えば新設部署のトップが、抜擢人事で選出された際に、他の部署のトップからの反感を招くからだ。その結果、部署間の異動が極端に減少し、「今の仕事をずっとしたいわけじゃない」若手は会社を去る決断をすることもある。 また、退社しない社員の中にも、「同じ会社の人間なのに、別の島の人がなにを考えてるのかわからない」状態が生まれてしまう。組織の停滞感を生むのは、往々にして安易な人事差配であることも多いのだ。
その点、六甲バターでは堅実なやり方で、新しい部署を作り、部署間の垣根を生まないままで、よりマーケットインなものづくりを進めてきた。中途入社でマーケティング部に配属された黒田さんの部下は、「社長や相談役、製造や営業の人と、こんなに距離が近いんですか」と驚いたそうだ。 さて、さきほど、六甲バターは「開発先導型」企業であると言ったが、六甲バターが開発しているのは、商品だけではない。仕事の手法や店頭での売り方も開発している。
そこで中編では、QBBチーズを全国に売りまくる営業マンたちの奮闘と、彼らに商品を託す開発部の想い、そして「開発先導型」企業の根底にあるアメーバ経営についてご紹介したい。
笹間 聖子 :フリーライター・編集者