胃腸の不調の原因、炎症を緩和する5つの方法
腸の炎症を早く抑える方法
・抗炎症作用のある食事を続ける 胃腸の炎症を軽減する大きな方法の一つは、食事から始まる。「食事内容を変えることは、胃腸の炎症の治療に大きな役割を果たします」と話すスーパンさん。全体として、オメガ3脂肪酸と食物繊維の摂取量を増やしつつ、添加糖や加工食品を減らすことを目指そう。これはつまり、血糖値を急激に上昇させるキャンディや揚げ物、高度に加工された食品など、炎症の原因となる食品を控えるということ。長期にわたる高血糖は細胞に大きなダメージを与え、炎症反応を引き起こす恐れがある。これらの食品を野菜や魚、全粒穀物に置き換えるよう心掛けるのがベストだ。 ここで鍵となるのが食物繊維。食物繊維は、便のかさを増やして規則正しいお通じを助けるだけではない。食物繊維は腸内マイクロバイオームのバランスを整え、炎症マーカーを減らすことが最近の研究で分かっている。ただし、食物繊維の摂取量を急激に増やすと辛い胃腸の症状が起こる場合があるので、食物繊維を豊富に含む食品(全粒穀物、緑葉野菜、豆類など)を徐々に食事に取り入れていくよう、スーパンさんは勧めている。魚(とくにサーモン)やフラックスシード、くるみを食べると、体全体の炎症を鎮めるのに役立つオメガ3脂肪酸をより多く摂取できる。 また考慮すべきなのは、食物不耐症の可能性。乳糖などに敏感な人は、腹部の膨満感や不快感、下痢などの症状を起こしやすいです、とヴァンダービルト大学医療センターの医学部准教授兼セリアック病クリニックのディレクターであるドーン・W・アダムス医学博士は指摘する。「その場合、低乳糖食を数週間続けてみましょう。その後、様子を見ながら乳糖を含む食品を再び取り入れていきます」と彼女はアドバイス。再度不快感を覚えるようであれば、炎症の原因を特定できたことになる。
・適切な飲み物で水分補給をする 水分補給は水を飲もう。アメリカ人の食生活における添加糖のおもな供給源は飲み物。「添加糖は、体に対して炎症性が非常に高いです」とスーパンさんは語る。クリーブランド・クリニックによると、砂糖が多く加えられている食べ物や飲み物はサイトカインのような炎症性分子の放出を引き起こし、これらは免疫系の一部だが多すぎると慢性的な炎症を起こす恐れがあるという。デザートが添加糖の供給源(高級アイスクリーム3分の2カップには、小さじ約6杯分の添加糖が含まれている)であることは明白だけど、飲み物のなかには驚くほど大量の砂糖が添加されているものもある。約470mlのソーダには小さじ12杯分もの砂糖が添加されているものもあり、これは高級アイスクリームの約2サービングに相当する。 「精製糖や異性化糖コーンシロップを含むものは控えるか、避けたほうがいいでしょう」とベッドフォード博士。「これらはどれも炎症を助長します。とくに細菌性のものは注意が必要です」 しかし、これは炭酸飲料に限ったことではない。アイスティーやフレーバーコーヒー飲料、カクテルも1サービングあたりの許容量を超える可能性がある。また、分かりやすく糖分が含まれていなくても、アルコール飲料は問題になる恐れがあり、体内でアルコールが分解されると炎症性化合物が生成されることが研究で分かっている。「アルコール自体が、とくに腸の基本細胞においてあらゆる炎症プロセスの悪化を引き起こします」とベッドフォード博士は話す。 アメリカの食事ガイドラインによると、添加糖から摂取されるべきカロリーは総カロリーの10%未満。2,000kcalの食事の場合、砂糖は約50gの計算になるが、一部の専門家はこの量は多すぎると考えている。