「こういうものを作る人が人を笑顔にする」3度バズったガチャ企画者 幼少期は「おもちゃで遊ばなかった」
子どもの頃におもちゃで遊ぶ経験がなかったのに、いまやSNSで話題になるような商品をいくつも開発――。そんなガチャガチャ企画者がいます。思いついたのは、子どもの頃の「ひざカックン」のいたずらを、ガチャガチャにするアイデアでした。ただ、道程は険しかったそうで……。ガチャガチャ評論家のおまつさんが取材しました。 【動画】ひざカックンしたら、どうなる?
SNSで話題の「ひざカックン」
ガチャガチャは毎月500アイテム以上の新商品が発売されます。そのうち、アニメやマンガなどのキャラクターを除く「オリジナル」のガチャガチャは3割程度になっています。それらを作るメーカーのほとんどが、中小零細メーカーです。最近では、参入するメーカーが増え、商品点数も増加しているなか、中小零細メーカーはガチャガチャの「ついで買い」のチャンスを狙い、お客さんに目を引くようなディスプレイポップで工夫を凝らしています。 SNSもひとつの武器になります。なぜなら、お客さんはXなどのSNSで話題になったのを見て、購入するケースも増えているからです。 最近、オリジナルのガチャガチャで、Xで3度もバズった商品がありました。それは、翔洋ジャパンのオリジナルガチャガチャブランド「JOY★CUBE」から発売されている「ひざカックン」シリーズです。
担当者の幼少期は「おもちゃで遊ばなかった」
このひざカックンを担当したのは、企画・デザイナーの宇都宮亮子さん。第1弾の「ぶっとび! ひざカックン」は、ガチャガチャ業界に新しい風を吹き込む商品として、2023年10月に発売されました。 ひざカックンは、ひざを押すと、帽子やかつらが飛び出すユニークなギミック(仕掛け)。何とも言えない、しょーもなさが表現されたガチャガチャです。見た目はシンプルですが、その背後には企画者としてのものづくりへの情熱と覚悟が詰まっています。 宇都宮さんのものづくりの原点は、意外にも子ども時代の「おもちゃで遊ばなかった経験」にあると言います。「家の方針でファミコンや流行のおもちゃがあまり家になかったんです。なので、レゴや家にあるものを使って工作して遊んでいました。あの時の『作る楽しさ』が今でも私の原動力になっています」(宇都宮さん)。 その経験が宇都宮さんの原点であり、大人になった宇都宮さんは、玩具やガチャガチャというカプセルの中にその楽しさを詰め込む道を選びました。