歴史を守り変わらぬ製法で作られる「AIGLE(エーグル)」の原点、ラバーブーツに迫る
「ラバーブーツができるまでの工程を簡単に説明させていただくと、天然ゴムの特性である優れた柔軟性や耐久性を引き出すため、AIGLE独自の製法で素材を混ぜ合わせ、
圧力をかけて薄く加工していきます」
「薄く加工したラバーから、ブーツのためのすべてのパーツが作られます。AIGLEのラバーブーツは、約60の工程を経て完成します。
補強材、アッパー、トゥ部分、ストラップ、ロゴ、ソールなど、すべてのパーツは職人による手作業で一つひとつ丁寧に取り付けられます」
「組み立てられたラバーブーツは、ヴァルカナイズ(加硫)加工によって硬化されます。この工程により、ゴムの主な特性である防水性、耐久性、染色性が担保されます。
AIGLEでは、最後に一足ずつ防水テストを行います。品質をしっかりとチェックしたのち、ラバーブーツは箱詰めされ、日本をはじめ、世界中に発送されます」
ファッションとしてのラバーブーツ
ファーマーやワーカーといったプロフェッショナルな人たちに愛用されてきたAIGLEは、1960年代に入るとファッションアイテムとしての側面が大きくなってくる。このころにはウエアも作りはじめ、現在のAIGLEのかたちに近しくなっていく。
AIGLEの原点回帰をコンセプトにした近年のアイテム
ここからは現代のAIGLEのアイテムを紹介してもらおう。原点回帰でファーミングに注目したコンセプトのものを、ふたたび髙橋さんに2つピックアップしてもらった。
「1つ目は『コーレイ』というサボタイプのもので、ガーデニングなどでも使いやすいアイテムです。
ファッション的な要素も高く、ルーツを大切にしつつもおしゃれに足元を演出してくれます」
「もうひとつは『レスフォープラス』というアイテムで、レインブーツとしてヘビーデューティなシチュエーションはもちろん、
ファーミングにも、そしてネオプレーン素材の使用によって、履きやすく、普段使いのファッションとしてもおすすめのモデルになっています」
ラバーブーツという揺らがぬアイコンを擁し、ファーミングに、ワークに、そしてアウトドアやデイリーウエアとしても多くの愛用者を持つAIGLE。 職人の確かな技術とフランスのエレガントさが調和した唯一無二さが、長年さまざまな国で支持され続けているのだろう。定番から新作まで、AIGLEのラバーブーツに今後も注目していきたい。 [1]加硫法 / ヴァルカナイズ製法 硫黄を加えたゴム底と靴本体を接着し、釜に入れ熱と圧力をかける製法のこと。