「皆さんは日本一」J通算278勝の名将が“涙” 選手&サポーターも号泣「ミシャに出会えて…」喝采やまぬ感動の一幕
【明治安田J1リーグ】北海道コンサドーレ札幌 1-0 柏レイソル(12月8日/大和ハウス プレミストドーム) 【映像】涙の名将に選手&観客も号泣 日本中から愛された“名将”はラストマッチを笑顔で終えた。北海道コンサドーレ札幌からの退任が発表されたペトロヴィッチ監督は、最終節に勝利した試合後にファン・サポーターに向けて挨拶すると、スタジアムには大きな感謝を表現する拍手の音が鳴り響いた。 今季、J1で最下位となり、J2降格が決まっていた札幌は、第38節の最終節にホームで柏レイソルと対戦。開始5分で挙げた近藤友喜の殊勲の1点で逃げ切った。 4日に退任が発表された指揮官のラストマッチを勝利で飾ると、クラブはスタジアムに詰めかけたファン・サポーターに対してセレモニーを開き、三上大勝代表取締役GMや、来季から新社長に就任することを発表した石屋製菓代表取締役社長・石水創氏が挨拶した後、ペトロヴィッチ監督が大きな拍手に包まれながらピッチ中央へと登場した。 2018年に監督に就任した当時からの映像が大型モニターで映し出された後、“ミシャ”の愛称で親しまれた指揮官はファンの前で挨拶し、「31年間、監督として仕事をしていますけど、この7年間が私にとっての一番の素晴らしい時間だった」「(札幌というクラブ、選手たち、パートナーのみなさん、そして応援してくれたサポーターの)みなさんは私にとって一生忘れることのできない、宝物のような存在です」「この札幌が私にとっての故郷。またいつか札幌を訪ねに来る」といった感謝にあふれる言葉を伝えていた。 遡ること18年前、2006年に来日してサンフレッチェ広島の指揮を執り、2008年にJ2優勝で初のタイトルを獲得してから、国内における「優勝」経験は浦和レッズを率いて2016年のリーグカップ戦を制した2回しかない。それにも関わらず、ミシャは愛され続けた。 この試合の決勝点を挙げた近藤友喜は試合後に「この1年だけでも僕自身サッカー選手としてひと回りもふた回りも大きくなることができましたし、本当にミシャに出会えてよかった」と語り、先述の石水氏も「ミシャさんが作ってくれたサッカーは日本一」と話した。 超攻撃型を標榜し、若手育成に定評がある指揮官は、柏木陽介や槙野智章、森脇良太、興梠慎三、西川周作、李忠成など数々の日本代表選手を育て上げた。札幌では、初年度の4位が最高位であり、その後の6年間はいずれも10位以下に甘んじたものの、ファンの信頼も厚い。退任発表の際もファンはSNSで「7年間、貴方の作るチームを応援できて本当に幸せでした」「ワクワクするサッカーを見せて来れてありがとう」「今のコンサの人気も強さもスタイルの確立も全てあなたのおかげです」「超攻撃型のサッカーに魅力されてコンサにハマった」などと、67歳の指揮官への感謝と愛にあふれる数々のメッセージが寄せられた。 日本中から愛された監督は最後に、札幌のファン・サポーターへ向けて「皆さんは日本一のサポーターだと思っています。私からのお願いは、これまで通りこのチームを、このクラブを応援し続けてください。来シーズンはJ2の厳しい戦いが待っていると思いますけど、引き続き応援してもらい、札幌がいるべきJ1という場所に戻って来ると思います。みなさん、愛しています。アリガトウ!」と告げて、スタンドに手を振った。 18年間、J1とJ2を合わせてJリーグ通算636試合で指揮した名将。今季最終戦に「1勝」を加え、通算成績278勝153分205敗の成績を残して札幌での役目を終えた。 (ABEMA de DAZN/明治安田J1リーグ)
ABEMA TIMES編集部