注目度高まる“切らない”がん治療 粒子線・陽子線って? 様々なメリットも解説「何より、痛くない」
「“切らない”がん治療」。この言葉を耳にしたことはあるでしょうか。現在、日本人の2人に1人が一生のうちに何らかのがんにかかるとされており、がんは私たちにとって関わりの深い病気です。 【関連】切らずにがん治す「陽子線治療」 メリットや向き不向きなど専門施設の医師が解説 今年6月に保険適用拡大 その治療法の選択肢の一つが、放射線を用いた“切らない”治療です。どういった治療なのか、兵庫県神戸市中央区にある兵庫県立粒子線医療センター附属神戸陽子線センター センター長の徳丸直郎さんに、ラジオ番組の中で詳しく話を聞きました。 徳丸さんによると、放射線の一種として「粒子線」があり、その中に「陽子線」「炭素線」などが存在しているとのこと。そういった、粒子の細かい放射線を病変に当てることで、形や経路の複雑ながんの治療を行います。病変にピンポイントで照射できることから、周りの臓器へのダメージも少ないのが特徴です。 “切らない”がん治療は一部が保険適用となっています。 子どものがん(診断時に20歳以下)は「陽子線治療」に保険が適用されています。成人のがんでは、前立腺がん、肝臓がん、膵がん、頭頸部がん、骨軟部肉腫などが保険適用の対象となっています。また、今年6月からは早期肺がんも「粒子線治療」が対象に。徳丸さんは「治療の効果が認められ、保険適用となる疾患が増えている」と話します。 そして「何より、放射線治療は痛くない」と徳丸さん。じつは徳丸さんは痛いことが苦手だそうで、そういう自身の思いもあって放射線科医の道を志したのだとか。 番組パーソナリティを務める姫路市の清元秀泰市長は、「“切らない”がん治療は外来で行うことができ、入院などで生活の変化が起きないことは、患者の生活の質の向上にもつながる」としたうえで「こういった素晴らしい選択肢があること、そしてこういった病院が姫路のそばにあることは、市民の皆さんにもっと知ってほしい」とコメントしました。 同センターでは、“切らない”がん治療を知ってもらうための活動として、今年6月には姫路市内で講演会を行い、姫路市に住む人の参加も多かったそう。徳丸さんは「もっと治療の幅があることを知ってもらい、患者さんの選択肢を広げていきたい」と今後の抱負を語りました。 ※ラジオ関西『ヒメトピ558』2024年10月4日、11日放送回より
ラジオ関西