選挙、兵庫県知事、偽広告... 2024年の10大ファクトチェックは
ヘイトスピーチ
「2023年十大フェイクニュース」でも取り上げたヘイトスピーチは、今年も目立った。対象も女性、性的マイノリティ、移民など、昨年と同様だ。ヘイトスピーチは偽・誤情報と相まって、ある特定の集団への敵対心を煽る。 2024年に特に目立ったのは、クルド人をめぐるものだった。こちらも事実に基づく批判はあって当然だ。問題は、まったく根拠のない情報も大量に流れてしまうことにある。それが冷静な議論をさらに難しくする。 クルド人が使用許可を取らずに 公園で勝手にお祭り? ニュース映像に虚偽のテロップを追加【ファクトチェック】 「川口のクルド団体がテロ支援」とテレビ朝日が報道? 一部カットされた動画が拡散【ファクトチェック】(この2本の記事はJFCのサイトでご覧ください)
生成AI
世界的な選挙の年となる2024年は「生成AIによる偽・誤情報が溢れかえって対処不能になるのでは」という懸念が持たれていた。しかし、結論から言うと、どの国を見てもそこまでの事態にはならなかった。 ChatGPTやGeminiなど生成AIの進化は早く、画像・動画・音声など人間では見分けられないレベルの精細さを再現できるようになっている。しかし、現実に拡散している偽画像や動画の多くは、一部を改変したり、関係のない別のビジュアルを転載したりしただけの「チープフェイク」だ。 現状の生成AIは、本物と見分けがつかないコンテンツを作れるほどには高性能だが、人々がシェアしたくなるコンテンツを作れるほどではない。しかし、2025年にさらに進化することは間違いない。いまから技術的な対策が必要だ。 「AIの嘘に対抗できるのはAIだけ 「ネットのクソ化」と戦う世界のファクトチェッカーの秘策は」(関連記事でご覧ください)
ワクチン
パンデミックは終わったが、インフォデミックは終わっていない。2024年10月から新たに始まった新型コロナウイルスのワクチン定期接種とともに、ワクチンに関する大量の偽・誤情報が投稿され続けている。 特にレプリコンワクチンをめぐっては、科学的な根拠がまったくない主張や海外で拡散した偽・誤情報の日本語化が日々続いている。JFCでは引き続き、これらを検証して行く予定だ。 日本赤十字社が「レプリコンワクチン接種後の献血をお控えいただく場合がある」と広報? 接種後48時間で献血できる【ファクトチェック】(関連記事でご覧ください) WHO事務局長が「コロナ感染に効くワクチンは無い」と発言? ワクチン開発前のニュースの切り取り【ファクトチェック】(JFCのサイトでご覧ください)