選挙、兵庫県知事、偽広告... 2024年の10大ファクトチェックは
アメリカ大統領選
2016年、2020年に続き、2024年の米大統領選も偽・誤情報が大量に拡散した。それらは日本語訳されて日本でも広がった。また、米大統領選に絡めて日本独自に広がるものもあった。 世界的に注目される選挙だけに、日本だけでなく国境を超えて世界中で同じような偽・誤情報が各国の言語で拡散していた。Google Fact Check Toolsにはそれらの事例が集まっている。 米大統領選挙 投票用紙の細工でトランプ票が無効に? 選管や共和党側も否定【ファクトチェック】 池上彰氏が「トランプ圧勝は不正」「共産社会は理想」と番組で発言? 発言の切り抜きや捏造【ファクトチェック】(この2本の記事はJFCのサイトでご覧ください) 兵庫県知事選 11月の兵庫県知事選は、多くの意味で画期的な選挙となった。斎藤元彦知事をめぐるパワハラなどの疑惑で始まった出直し選挙は、失職して再選困難と見られていた斎藤氏が逆転勝ちした。 国政選挙以上の注目、新聞やテレビ以上に影響力をもったソーシャルメディア、「斎藤氏を貶めたマスコミを含む既得権益層とソーシャルメディアで草の根で支えられた斎藤氏」という作られた対立構図...。JFCでは個々の偽・誤情報の検証だけでなく、ソーシャルメディアをめぐるこの選挙の全体像を解説した。 東京都知事選の石丸旋風、総選挙での国民民主党の躍進、そして、兵庫県知事選での斎藤再選。これらの背景にあるソーシャルメディアの影響力拡大は、来年も間違いなく続く。 斎藤氏再選の裏にSNSや動画 投票の参考情報で新聞・テレビ上回る 偽・誤情報だけでは語れない兵庫県知事選・前編【解説】( JFCのサイトでご覧ください) 「斎藤氏の支持者がデマを熱狂的に信じた」という言説の落とし穴 兵庫県知事選・後編【解説】(関連記事でご覧ください)
マスメディアへの攻撃
選挙の際には「公正ではない」「偏向している」などとマスメディアへの批判が特に高まる傾向がある。その批判の中には事実に基づいた批判もあり、それはファクトチェックされるようなものではない。 一方で「選挙不正に加担している」というような根拠のない批判も毎回のように広がり、選挙とそれを報じるマスメディアという民主主義の根幹への攻撃となっている。 兵庫県知事選で斎藤知事のパワハラなどの疑惑を報じていたことで、2024年は特にマスメディアへの批判が高まった。選挙から1ヶ月以上が経っても、その状況に変化はない。