【フィギュア】鍵山優真2位の悔しさバネに全日本、世界選手権へ「負けず嫌いな部分はたくさん」
【グルノーブル(フランス)8日=松本航、松本愛香通信員】フィギュアスケートのグランプリ(GP)ファイナル男子で自己最高2位に入った鍵山優真(21=オリエンタルバイオ/中京大)が、日本一への欲をにじませた。合計281・78点で終えたフリーから一夜明け、会場でエキシビション前に取材対応。20日開幕の全日本選手権(大阪)、25年3月の世界選手権(米ボストン)へ気合を入れた。3位で初表彰台の佐藤駿(エームサービス/明大)、女子で初出場2位の千葉百音(木下アカデミー)、3位の坂本花織(シスメックス)も決意を示した。 ◇ ◇ ◇ 鍵山は奥底にある思いを、去り際になって口にした。「スポーツっていう特性上、やっぱり勝敗が生まれる。僕も負けず嫌いな部分はたくさんある。全日本だったり世界選手権も、もちろん優勝を狙っている。そこは貪欲にやっていきたい」。今季の中盤戦、後半戦に向けた決意表明だった。 何よりも自身の演技の出来が悔しい。前夜のフリーは4回転サルコーが2回転に抜け、後半のステップシークエンスでレベル2(最高が4)と課題を残した。緊張で精彩を欠き「内臓がギュッとつかまれているような体の感じ。気持ちが弱くなった」と自己採点は70点。世界王者マリニンは、4回転全7本が回転不足となりながら2連覇した。20歳シャイドロフ(カザフスタン)は3連続ジャンプの3つ目を4回転サルコーにする大技成功。鍵山は「練習から、自分の存在感をアピールしたい」と燃える。 ジャンプ失敗はもちろん、ステップはレベル判定を意識した丁寧さ、理想の表現へ攻めるバランスに苦慮する。答えは練習を繰り返すしかない。「しっかりとまとめることができれば、後から結果はついてくる」。頂点を見据えた準備で、心のモヤモヤと決別する。