総務省、スマホ販売の「1年12円」など極端な返却プログラムを是正 ガイドライン改正案の意見募集を開始
総務省は11日、「電気通信事業法第27条の3等の運用に関するガイドライン」の改正案を提示し、これに対する意見(パブリックコメント)募集を10月12日より開始。ドコモ、ソフトバンクなどの携帯キャリアが実施する「返却プログラム」における、極端な残債免除の是正が盛り込まれていた。 【画像】一般的なスマホ返却プログラムの支払事例。極端な例では「年間12円」なども見られる。
極端な分割価格の対応念頭か
現在、携帯キャリアではiPhoneなどのスマートフォンを事実上「レンタル」として、回線契約とセットで販売する形態が多く見受けられている。その多くは、端末価格を48分割し「月々数千円」の支払いで販売、24カ月など一定期間が経過したのちに返却を行えば残債(残り24カ月分)が免除されるというものだ。 この仕組みを活用することで、常に最新の新型スマートフォンが使えるようになり、多数の利用者が存在する。そして、一部のキャリアやプランでは、「◯カ月まで」の割賦を「◯カ月後から」の価格よりも低く設定することで、実質的な端末割引を行う事例も見受けられる。 今回の改正案では返却プログラムを活用した端末販売の開始時に、具体的な買取予想価格とともに、総務省への資料提出と消費者への提示を義務付けるという内容が盛り込まれていた。 改正案中には、買取予想価格の算出方法として「端末の販売価格 × 残価率 × その他考慮事項」との式の使用を求めている。例えば 端末の販売価格が10万円、12か月後の残価率が60%ならば6万円となる。 そして、式中の残価率は「発売からn か月目の買取平均額 ÷ 販売当初の販売価格」としており、平均額は一般社団法人リユースモバイル・ジャパンが掲示する額を使用するよう求めている。例えば発売12か月後の平均額が6万円、当初価格が10万円の場合、12か月目の残価率は60%。 これらの規定で算出された予想価格が、実際の販売価格と大きく乖離する状況が続く場合、総務省は各事業者への追加の資料提供を求めるとしており、改正案が実現されるならば、極端な返却プログラムに強く影響することが想定される。 総務省は、この改正案のパブリックコメントを11月11日まで受け付けている。
編集部 IT/デジタル担当