たった創部5年目で全国ベスト8進出!?軟式から移ってきた新鋭が歩んできた文武両道、学生主体の道のり これからへ「10年、20年と続いていけばいい」<準硬式・全国大会(清瀬杯)>
それでも全国大会まで勝ち上がってきた。しかも、大学準硬式では激戦区の1つである関西を勝ち抜いて掴んだ切符だ。他校に比べて練習量が少ないなかで結果を残せるのは、週1日の密度の濃さがあるからだ。 「週1日しか全体練習をやりませんので、そこを凄く大切にしますし、少ないからこそ、自主練習に対しても、全体練習で出来なかったことをやれるので、その時間も大切になっています」(島本主将) そうやって力を付けてきた大阪成蹊大は、2023年に初めてリーグ戦を制して、全国大会出場をかけた関西選手権に進んだ。臼井監督が掲げた全国大会出場が迫ってきたが、他リーグの強敵に阻まれた。 島本主将はそのとき、「楽しく野球をやろうとしながら、勝利を目指してきたが、それじゃあ勝てない」と敗れた悔しさを糧に、この1年は今まで以上に全国大会を意識した。
その変化は、主将を務めたのち、現在は部長としてチームのスケジュール管理や監督と次の試合へのメンバー編成など、試合までの打ち合わせを何度も交わしてきた福間大介内野手(4年=大東出身)が証言する。 「週2、3日程度ですが、先生と打ち合わせをして、練習はもちろん、練習試合の予定、さらにはリーグ戦でどう勝つか、試合のメンバーをどうしていくか。そういったやり取りを沢山やっていました。 なかでも、組み合わせを見た際に、実力差がなく、チャンスがあったので、監督とも沢山コミュニケーションを取りました。そこで、『何が何でも勝ち切る』っていうことで、全体練習前後には、『本気になって取り組もう』って話をして、個人の時間を練習してもらえるように促しました。正直、見られるわけではなく、把握は出来ませんが、各ポジションのリーダーと連携を取るようにして、何もやらない人が出ないようにしました」(福間) 文武両道、そして臼井監督が導き手となりながら、選手主体で運営する。創部5年目ながら大阪成蹊大が体現するチーム運営は、まさに大学準硬式そのものだ。 しかし、全国で勝つには、ここからさらに一歩踏み出せないといけない。臼井監督もその点を痛感していたが、大阪成蹊大は創部5年目で、これから歴史を積み重ねていくチームだ。今回のような結果を続けていけば、日本一へのチャンスもやってくるだろう。
部長の福間も「これが10年、20年と続いていけばいいと思うので、そのつなぎ役として最後までチームのためにしっかりやりたい」と語れば、島本主将は「最初、準硬式のことは知りませんでしたが、おかげで凄い楽しい学生生活を送れました。選んでよかった」と、準硬式への感謝の言葉を残した。 島本主将、福間部長たちが残した今大会のベスト8。そこに至るまでの足跡がすべて語れるチームの歴史になるだろう。4年生は次のステージへ、そして後輩たちは超えていき、新たな歴史を刻んでほしい。その繰り返しが、大阪成蹊大を常勝チームへ押し上げていくはずだから。