半導体レーザー照射で害虫駆除 広島のシャープ子会社が開発
シャープ子会社のシャープ福山レーザー(広島県福山市)が「半導体レーザー」を活用した害虫駆除システムの開発を進めている。ガなどの動きを予測して照射する。作物への農薬付着を防ぎながら、薬剤耐性を持つ虫の繁殖を抑制する効果が期待されるほか、除草への応用も検討している。 農薬を使った害虫駆除は効果や費用面で優れるが、同じ系統の薬剤を繰り返し散布すると害虫が耐性を持つ課題があり、自治体や生産者が対策に取り組んでいる。 半導体レーザーは、ブルーレイディスクの読み込みやプロジェクターの光源に使われる。2023年8月から高出力の「青色レーザー」を使用した技術の開発を始めた。 青色レーザーの技術は保有していたが、害虫を検知し、追尾する仕組みを構築する必要があった。完成したシステムは、カメラで画像を取得し、飛行する虫の移動先を予測。ビームの角度を制御して照射する。 レーザー事業部の平野恭章事業部長は、安全性の確保が課題とした上で「人工知能の活用など他社との協業も検討している。3年以内に実用化したい」と意気込んでいる。