「YOLU」の爆発的ヒットを支える I-ne の革新戦略。計算されたブランドマネジメントの徹底がスケールへとつながる
凡事徹底こそが1を100にする
大菅:IPTOSモデルと中心としたブランドマネジメントは一見当たり前のことですが、やりきるのは結構難しいのではないでしょうか。ですが、I-neはそれができるのが強みであり、結果として「YOLU」を日本一にすることができました。 DD:I-neがそれを実現できるのはなぜでしょう? 大菅:企業カルチャーでしょうか。当社には行動指針として7つのクレドがあります。そのうちのひとつが「凡事徹底」、つまり当たり前のことをしっかりやりきるということです。 「IPTOS」ができたタイミングは、組織崩壊の危機でもありました。ルールがないなかで走り続けてきたことで数字が踊り場を迎えてしまい、北極星のように全員が必ず戻れる場所、ルールを作ったという背景があります。これらのカルチャーを全員が理解し、行動指針としているので「IPTOS」を完遂できていると思います。 DD:チームに期待することや、ご自身で大事にしていることは何でしょうか。 大菅:チームには常にトレンドセッターであってほしい。そして常に数字の振り返りを行い、検証してほしい。私が入社して、最初に着手したところはそこでした。 私が大事にしているのは好奇心と共感性です。今は時代の流れが速いので常に好奇心を持ち続けなければならないし、人は何に不満を抱いていて、どんなときに嬉しいのか、共感性も重要です。そこを理解した上で価値提供をすることが求められていると思うので、好奇心と共感性は常に意識しています。 実は、私は一度、マーケターとして挫折したことがあります。前職ではプロダクトマネージャーとしてひとりで商品開発、代理店商談、美容部員の教育などを行っていましたが、ゼロイチ(0→1)など苦手な部分も多くありました。一方、I-neは、ブランドチーム制。各セクションに裁量権があり、ブランドをつくり上げる楽しみがあります。 Mission、Vision、Valueが浸透しているので、お互い高め合いながら仕事をできるのが魅力です。一方で、イチヒャク(1→100)が得意なので、ワンチームで当社の数字をさらにスケールしていきたいです。 インタビュー・文/島田ゆかり 企画・構成/坂本凪沙(DIGIDAY JAPAN) 写真/三浦晃一
編集部