「新型“セレナ顔”SUV!?」実車公開! 10年ぶり全面刷新!? 唯一無二のVCターボ×9速AT搭載! 「ムラーノ」何が変わった? LAで展示
日産 新型「ムラーノ」どんなクルマ?
2024年11月21日より開幕したロサンゼルスモーターショー2024にて、日産は新型「ムラーノ」を公開しました。 いったいどのようなクルマなのでしょうか。 【画像】超カッコイイ! 日産「新型”セレナ顔”SUV」を画像で見る(85枚)
日産のムラーノは2002年、北米市場向けのラージSUVとして登場しました。 2000年に登場したエルグランド向けに開発されたVQ35DE型3.5リッター V型6気筒エンジンを搭載、余裕のある大排気量エンジンと先進的なエクステリアデザインで人気を博します。 北米への導入からまもなくして日本での導入を望む声が多く聞かれ、2003年に開催された第37回東京モーターショーでは左ハンドルの北米仕様車が参考出品を果たします。 その後、正式に右ハンドルの日本仕様車が2004年9月に発売され、従来の3.5リッターモデルと合わせ、日本向けに開発されたQR25DE型2.5リッター直列4気筒エンジン搭載モデルも投入されました。 ムラーノは2008年に2代目へとモデルチェンジし、日本市場では初代と同様に2.5リッターと3.5リッターの2種類が用意されました。 ですが、2014年に登場した3代目モデルは日本市場へ導入されることなく、日本におけるムラーノは2代目モデルのまま、2015年に販売を終了しました。 その後、3代目ムラーノは中国への導入も決定し、東風汽車との合弁会社「東風日産」が製造と販売を担当する形となりました。 日本での販売を終えたことでムラーノは海外専売車種となり、海外の交通事情に合わせたより大型のボディを誇るSUVへと生まれ変わったのです。 2024年10月にはムラーノの4代目モデルを北米向けに発表、その翌月21日よりカリフォルニア州ロサンゼルスにて開幕したロサンゼルスモーターショー2024にて初めて一般に公開しました。 新型ムラーノはこれまでのモデルで採用されていた3.5リッターエンジンと2.5リッターエンジンの両方を廃止し、最高出力241 hpのKR20DDET型2.0リッター直列4気筒ターボエンジンを搭載します。 このエンジンはインフィニティQX50やQX55、QX60、そして中国向けとして2023年に登場した新型パスファインダーにも採用されているエンジンで、「VCターボ」と呼ばれる可変圧縮比機構を特徴とします。 このエンジンは走行状況に応じて燃費重視か出力重視かを切り替え、圧縮比は8から14、排気量も圧縮比14の場合は1970cc、圧縮比8の場合は1997ccのように変化します。 また、トランスミッションでもCVTと6速ATは先代限りで採用を終え、新たに9速ATと組み合わせたことで経済性と走りの楽しさの両方を実現させました。 フロントマスクは日産の純電動SUV「アリア」から採用される水平基調のものを用いており、最近では「セレナ」や「ノート」「ルークス」などでも採用されています。 またエクステリア全体も無駄な曲線を廃したシンプルかつ未来的なデザインで仕上げています。 リアでは昨今の日産車で採用が進む左右一体型のテールライトが目立ち、簡素ながらも高級感のある雰囲気を演出します。 全長4900 mm x 全幅1981 mm x 全高1724 mm、ホイールベース2824 mmのボディは先代モデル(4887 x 1915 x 1689)よりワイドになった印象ですが、一方でホイールベースに変更はありません。 インテリアでは2つの12.3インチディスプレイを1枚に組み合わせ、運転手向けのインストルメントパネル、そしてナビやメディアの操作を行なうセンターディスプレイの役割を担っています。 Googleのソフトウェアを内蔵しただけでなく、Android AutoやApple CarPlayといったスマートフォン連携機能も無線で対応しており、万全のコネクティビティを実現しました。 運転時の安心を支える運転支援機能ではアダプティブ・クルーズ・コントロール(ACC)や車線逸脱防止システム(LKA)に対応する「プロパイロット1.1(北米名:プロパイロット・アシスト1.1)」を軸に、駐車時の周囲を360度表示するインテリジェント アラウンドビューモニターといった機能も搭載します。 グレードは「SV」「SL」「Platinum」の3種類で、SVのみ前輪駆動と四輪駆動を用意、他グレードはすべて四輪駆動となります。 SLグレード以上はパノラミックサンルーフやツートンカラーの外装色が選択可能となり、最上級のPlatinumグレード専用装備としてはマッサージ機能付きの前列シート、そして切削仕上げの21インチアルミホイールを用意します。 新型ムラーノは米国とカナダ向けに2025年初頭の発売を予定しています。 2024年3月に発表した経営計画「The Arc」では2026年度までに米国とカナダで7車種の新型車を投入するとしており、先立って8月に発表された新型キックス、9月の新型アルマーダ、そして今回の新型ムラーノがその一部を構成します。 他にも、日産は北南米での販売台数を2023年度比で33万台増加させる計画で、電動化が特に求められる米国市場ではプラグインハイブリッド(PHEV)の投入も予定しています。
自動車ライター加藤博人