貯蓄3000万円超の世帯は「60歳代・70歳代」で何割?定年後に必要な資金の中央値は3000万円に
【70歳代・二人以上世帯】貯蓄3000万円超はどのくらいいる?
金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査]」から、70歳代・二人以上世帯で「貯蓄3000万円超」の割合も見ていきます。 リタイヤ世帯がより多く含まれていると考えられる70歳代世帯では、どのような傾向がみられるのでしょうか。 ・金融資産非保有:19.2% ・100万円未満:5.6% ・100~200万円未満:5.1% ・200~300万円未満:4.3% ・300~400万円未満:4.7% ・400~500万円未満:2.5% ・500~700万円未満:6.2% ・700~1000万円未満:5.8% ・1000~1500万円未満:10.2% ・1500~2000万円未満:6.6% ・2000~3000万円未満:7.4% ・3000万円以上:19.7% 70歳代の二人以上世帯で、貯蓄が3000万円以上ある世帯の割合は19.7%で、60歳代と比べてわずかに減少しており、貯蓄を取り崩し始めた世帯も多いのでしょう。 また、70歳代の貯蓄が全くない「金融資産非保有」世帯の割合は19.2%で、こちらもほぼ同程度の割合です。 このような現状を知ると、「我が家は十分に貯蓄準備ができるのだろうか」と不安に感じてしまう方もいるでしょう。 しかし、過度に老後を不安視しても有効な対策にはならず、現在の生活を犠牲にしてまで老後資金を優先しすぎることは、後々の後悔につながりかねません。 そもそも、全ての世帯が必ずしも貯蓄2000万円や3000万円を保有する必要があるわけではありません。 「どれだけの資産を」「いつまでに」「どのように」準備するのか、一度客観的に考えてみることが大切です。 参考までに、次章にて積立投資で貯蓄3000万円を目指すシミュレーションを確認していきましょう。
積立投資で「貯蓄3000万円」を目指そう!シミュレーション結果を確認
貯蓄方法は多岐に渡りますが、一例として「積立投資」を行うと想定し、金融庁「資産運用シミュレーション」を用いて、シミュレーションしてみます。 今回は、60歳に3000万円到達を目指すものとし、年率4%で運用できたケースを想定しています。 ●貯蓄3000万円を貯めるには? 【投資開始年齢:投資期間・月々の積立額】 ・30歳:30年・4万3225円 ・35歳:25年・5万8351円 ・40歳:20年・8万1794円 ・45歳:15年・12万1906円 上記のシミュレーション結果をみると、投資期間が長くなるほど、資産を増やしやすくなることがわかります。 しかし、シミュレーション通りの年率を維持できる保証はなく、年によっては変動するため、大きなお金が必要なタイミングで元本割れが生じることも考えられます。 上記をふまえ、老後資金を一つの方法で貯めるのではなく、複数の手段を活用してリスクを分散する視点が大切です。