可愛いから…だけじゃない?『溶鉄のマルフーシャ』『救国のスネジンカ』で過酷な運命と戦う少女たちになぜ心惹かれるのか。□バッドエンドが「良い悲劇」になる条件□とは?
!注意! 本稿では『溶鉄のマルフーシャ』エンディングのネタバレが 多少含まれます。閲覧に際してはご注意ください。 【画像 全11枚】“無常”が人の心を打つ!
個人開発者hinyari9氏が手掛ける『救国のスネジンカ』がヒットを飛ばし、前作『溶鉄のマルフーシャ』に続き人気作となりました。本作はディストピア社会で銃を手にした少女たちが、生き残りのために奮戦する物語です。
『救国のスネジンカ』は最新作であるためネタバレを避けますが、『溶鉄のマルフーシャ』などは遊んだゲーマーから□バッドエンド多し□と言われ、「救いはないのか!?」という声が多くのユーザーから上がったタイトルです。かろうじて救いのあるトゥルーエンドでも「解釈次第では救い……かも?」という結末です。しかし筆者は安直なバッドエンドじゃないからこそ支持を集めたと強く主張したい!
『救国のスネジンカ』である種のアンサーが出されたとはいえ、本シリーズが□バッドエンドな世界□であることは否定しません。しかし多くのファンを生み出し、二次創作界隈も生まれるほどの人気があるのも真実です。「バッドエンドでありつつも、人々の心を打つ」というのは「女の子が可哀そうな目に遭うことが好き」というサディズム的な文脈とは違うでしょう。
では「過酷な運命と戦う少女」たちを描く『マルフーシャ』シリーズはなぜ多くの人の支持を得たのでしょうか。本稿ではなぜ□バッドエンド多し□な本作が(いわゆるサディズム的文脈ではなく)好まれるのかをざっくり分析していきます。
『溶鉄のマルフーシャ』に限らず、ゲームにおいて「バッドエンドであるにもかかわらず心に残った名作がある」という方はぜひチェックしてみてください。
◆「理不尽なディストピア」は現実社会の無常とつながる
まず、『溶鉄のマルフーシャ』のエンディングでは□仲間同士での裏切り□や□黒幕と戦ったうえで負ける□という展開はありません。前線で戦っているマルフーシャたちがバッドエンドになるときは、たいていは名もなき敵兵士に負かされるのです。
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