小学2年生の娘「自分の心と身体ってどうやって大事にしたらいいの?」いじめに悩む娘の言葉がきっかけで…”性教育”の重要性に気付く、その訳とは
親として大切にしていること
なおさんが親として、娘さんへの接し方で意識していることを3つ話してくれました。 1つ目は1人の人間として接すること。 「どんなに小さくても自分の意見や感情を持っています。親の価値観で抑えつけ、命令し、従わせるのではなく、意見を言い合って折り合いをつけることと、尊重し合うということを意識しています」 2つ目は、なおさん自身が自分を大切にすること。 「お母さんがいつもイライラしていて、余裕がなかったり、目の下にクマをつくりながら『自分を大事にしてね』と言っても伝わりません。自分を大事にする子どもに育ってほしいと思うなおさんは、まず『自分自身を大事にすること』を意識し、その姿をお子さんに見せ、自分を大事にする方法を伝えています」 3つ目は「生まれてきてくれてありがとう」「大好きだよ」「今日も楽しかったありがとう」と、愛を伝えること。 「『◯◯がいてくれて幸せ』『◯◯のこういうところが愛おしいな』と子どもに対する愛の気持ちを、1日5回以上は必ず伝えています」
なおさんの研究授業や学校での講義
なおさんは一般社団法人Hugmeという会社を立ち上げ、全国の幼稚園・保育園、小中高校の生徒向けに、そして保護者や教員向けに性教育についての講義をしています。 「1000人いたら1000通りの考えや意見があり、その意見が良い悪い、合ってる合ってないにかかわらず、絶対に否定しません」そう話すなおさんは、子どもたちが話をしてくれたこと自体に「話をしてくれてありがとう」という気持ちでいっぱいだといい、どの考えや意見もその子の大切な個性や生き方だと受け止めてきました。 もし、意見を聞いた上で伝えなければいけないことがあった場合は、考えを受け止めた上でその後の話を展開していくようにしているといいます。
親世代に伝えたいこと
親世代の方を相手に講義することも多いなおさん。 「性教育と言うと『寝た子を起こすのでは』と懸念する方が多いのが現状ですが『子どもは寝ていない』『寝ている・寝ていてほしい』と思っているのは親だけです」と訴えます。 「『自分たちも性教育を学んでこなかったけど、大人になれたんだから大丈夫!』と思っている方が多いのですが、昔と今を比べると、スマホやネットの普及によって手に入る情報量が違います」 親が性をタブー視することで、子どもが親に相談しづらくなり、身近な大人(親)を頼らなくなっているのが現状。その結果、見たことも会ったこともないSNSで知り合った相手に相談してしまうことも懸念しています。 「両親共働きも増え、子どもと接する時間も減っている中でも『子どもに幸せになってほしい』『笑顔になってほしい』『子どもが自分を大事に出来る子になってほしい』と願っているのなら、まずは大人が性の知識をアップデートして、性についてオープンに話せる関係性を築いてほしいと思っています」