サッカーを楽しむための公立中という選択肢。部活動はJ下部、街クラブに入れなかった子が行く場所なのか?
「部活動は顧問の問題がある」成り手がいなかったら…
中学の部活動は顧問にサッカーの豊富な知識、指導経験があるとは限らない。近年は顧問の労働時間も大きな問題になっている。 「部活動は顧問の問題がある。成り手がいなかったら、外部指導員を雇うしかない。サッカーを学びたくても学べない環境もあるので、それは子どもたちにも伝わる。あとは顧問の転勤があるので、どうしても安定しない。でも、クラブチームはジュニアユースがあって、ジュニアもあったりするので、安定はしますから」 特に顧問の転勤問題はどうしても課題として横たわる。そこに関して小野寺監督はどのような考えを持っているのだろうか。 「地域によってはまったく進んでいないですけど、外部指導員の存在が大事になります。学校と生徒をつなぐ役割を担ってくれます。外部指導員が入ることでこの学校変わったなと思えるところもありますし。外部指導員をうまく入れないと、子どもたちのモチベーションが低下してしまう。部員数が少なくなったり、昔はこの学校めちゃくちゃ強かったのにとか。学校の取り組みで変わる部分もあるのでそこは大切だと感じますね」 誤解を恐れずに言えば、難しい状況に公立中があるのは間違いない。だが、メリットや強みはある。小野寺監督は言う。 「強みはハード面だと思うんです。もちろん、人工芝などがあるわけではないし、サイズの大小はあるけど、学校が終わったらすぐに校庭で練習ができる。どこかに移動しなくても活動ができる点はプラス。あとは年間でかかるコストが安いのも強みです。私たちのチームでは年間で2000円だけいただいて、あとは練習試合などを組む際の交通費だけ負担をお願いしています」 ハード面の強みは街クラブにはない強みだろう。また、学校教育と連動して動ける点も人間形成の部分で大きな価値がある。 「生活指導の一環でもあるし、子どもたちの礼儀とか行動も含めて見ていくことになります。学校内での話題もそうなんです。何か起こると、〇〇部の誰々だよねとか、まず第一声で部活動名がきます。何年生の誰々じゃないんです。そういう覚え方をしている教員は多いので、やっぱり生活指導の一環になっている」