フランスに勝利をつかみかけた男子日本代表、チーム最多29得点6アシストの河村勇輝「個人の力でチームを勝たせられなかった」
ホーバスHC「2万7千人のアウェーの中で日本のバスケットを見せられた」
パリオリンピック1次リーグ第2戦、男子日本代表は開催国のフランスと対戦。オーバータイムにまでもつれ込む激闘の末に90-94で敗れた。 第1クォーターこそ25-32と出遅れたが、日本は第2クォーターに富樫勇樹の3ポイントシュートで同点に追いつくと、その後は一進一退の攻防を展開。第4クォーター開始2分半、24得点を挙げていた八村塁が2つ目のアンスポーツマンライクファウルで退場したときは暗雲が立ち込めたが、河村を中心とした懸命なバスケットでフランスにくらいつき、残り47秒と残り16.4秒の河村のフリースローで4点リード。歴史的勝利を手中に収めたように見えたが、直後のポゼッションで河村がマシュー・ストラゼルに4点プレーを献上して延長戦に突入し、最後はあと一歩およばなかった。 試合後、トム・ホーバスヘッドコーチは「悔しいです。勝てるチャンスはあったと感じています」とコメント。現地で取材を行うメディアは、ホーバスヘッドコーチがかなり落胆していた様子だったと報じている。しかし「(八村)塁の退場もあったし4ポイントプレーもありましたが、それでも2万7千人のアウェーの中で日本のバスケットを見せることはできたと思います。選手たちは疲れている中でも本当に良く戦いました」と、最後まで勝利を目指して戦ったチームをたたえた。 チーム最長の約38分コートに立ち、216cmのルディ・ゴベア、222cmのビクター・ウェンバニャマを体を張ってシャットアウト。河村のアシストから3ポイントシュート4本を含む18得点を挙げたジョシュ・ホーキンソンも、「勝てなかったのは残念」としながらも「215cm以上の高身長選手が2人もいるフランス相手にチームとしてしっかり守ることができ、個人的には3ポイントシュートを決めることができたこともよかった」と自分たちの戦いぶりを評価している。 また、チームトップの29得点(うち3ポイントシュート6本成功)を含む7リバウンド6アシストという圧巻のスタッツを記録し、ニコラ・バトゥーム、エバン・フォーニエらNBAプレーヤーから称賛を受けた河村は、自身が勝負を決めきれなかったことに対する憤りもあっただろう。しかし「個人の力でチームを勝たせることができなかったので、まだまだ成長しなければと感じています」とつとめて前向きなコメントを残している。 2敗目を喫した日本は、現在グループB3位。準々決勝への進出条件は上位2チームに入るか、3位チームとして他グループの同位チームより優位に立つことなだけに、1次リーグ最終戦となるブラジル戦はできるだけ点差をつけて勝利しなければならない。ホーバスヘッドコーチは「私たちの目標はまだ終わっていません。ブラジル戦では勝利を目指します」、河村は「フランス戦での経験を糧にして必ずベスト8(決勝トーナメント進出)という目標を達成したいと思います」と決意を語った。
バスケット・カウント編集部