そういえば巨人に「オドーア」っていたよな…2024年活躍を期待されるも忘れ去られてしまった“助っ人”外国人を振り返る
株主総会でやり玉に挙がった外国人選手の不調
前年は日本シリーズで活躍したのに、2年目はすっかり影が薄くなってしまったのが、阪神・ノイジーである。 来日1年目の2023年は、打率.240、9本塁打、56打点と今ひとつの成績ながら、オリックスとの日本シリーズ第7戦で宮城大弥から4回に値千金の先制3ランを放ち、チームの38年ぶり日本一に貢献。第6戦でも山本由伸から先制ソロを放つなど、通算2本塁打5打点の活躍で、優秀選手賞を獲得した。 だが、「2年目のほうが伸びしろな、経験したあれがあるからな」という岡田彰布の期待も、4月5日のヤクルト戦でシーズン1号を放ったあとは鳴りを潜め、5月も月間打率.170と不振に陥ったことから、同27日に来日初の2軍落ち。 6月14日に再昇格も、同日に開かれた親会社・阪急阪神ホールディングスの株主総会では、「なぜ、今季、外国選手を補強しなかったのか」と同じく成績不振のミエセスとともに、名指しでやり玉に挙げられた。 その後も15打数2安打1打点と結果を出せず、6月28日に2度目の登録抹消。そして、チームが逆転Vを目指していた9月に事実上の戦力外となり、同26日、シーズン終了を待たずに寂しく帰国。3日後にチームも“アレンパ”を逃した。
来季DeNA復帰をほのめかす報道が
2024年は日本でプレーしなかったものの、26年ぶりVを狙うDeNAのキーマンとして、シーズン開幕後もラブコールが贈られたのが、元サイ・ヤング賞右腕・バウアーである。 23年は登板19試合で10勝4敗、防御率2.76の好成績をマークも、球団側の残留要請に対し、あくまでメジャー復帰を最優先に考えて自由契約になり、メジャーからのオファーを待ちつづけた。 そして、ドジャース時代に女性へのDV問題で出場停止処分を受けた一件が影響し、メジャーとの交渉がなかなかまとまらないと、バウアーは「MLBからオファーが来たときに、すぐにローテーションに加わることができる」という理由から、メキシカンリーグのレッドデビルズと4月11日から5月8日まで5試合限定の契約を結んだ。 それでもDeNA側は、再契約に望みを託して交渉を継続したが、その後、バウアーがレッドデビルズとシーズン終了まで契約を延長したことから、5月26日、「我々は補強期限ギリギリまで交渉していく予定だったが、現実的に難しい」(萩原龍大チーム統括本部長)として、ついに断念。バウアー抜きでシーズンを戦うことになった。 だが、バウアーにとって皮肉なことに、DeNAは新エース・東克樹や新外国人のジャクソン、ケイらがバウアーとカブス移籍の今永昇太の穴を埋め、シーズン3位から下剋上日本一を達成。11月3日、パ・リーグの覇者・ソフトバンクを4勝2敗で下し、三浦大輔監督の胴上げを目の当たりにしたベイファンにとって、バウアーはすでに“過去の人”になっていた。 年の瀬を迎え、バウアーの来季DeNA復帰をほのめかす報道も出ているが、ネット上のファンの声は「費用対効果に合わない」「もう来なくて良い」など、否定的なものも少なくない。 久保田龍雄(くぼた・たつお) 1960年生まれ。東京都出身。中央大学文学部卒業後、地方紙の記者を経て独立。プロアマ問わず野球を中心に執筆活動を展開している。きめの細かいデータと史実に基づいた考察には定評がある。 デイリー新潮編集部
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