中国・ドキュメンタリー映画『劇場版 再会長江』、プレミア上映へ
【東方新報】南京在住の日本人映画監督・竹内亮(Ryo Takeuchi)氏のドキュメンタリー映画『劇場版 再会長江』のプレミア上映が、5月24日に中国で行われる予定だ。中国の「母なる川」のひとつである長江(揚子江、Yangtze River)沿いの美しい風景とそこに暮らす住民の話を題材としたこの映画は、過去10年間に中国で起こった大きな変化に焦点を当てている。この映画は中国全土で上映される予定だ。 映画は繁栄する上海市からスタートし、澄んだ水と緑豊かな山々に囲まれた全長6300キロの長江をさかのぼる。川沿いに暮らす人びとの物語がつづられ、くっきりした生活感覚と人びとの本当の気持ちが浮かび上がる。 上海の外灘(バンド、Bund)沿いのなだらかな川面から西へ向かい、監督のレンズは南京市(Nanjing)、武漢市(Wuhan)、重慶市(Chongqing)の都市を経て、中国北西部の青海省(Qinghai)にある長江の源流のひとつ、沱沱河(Ulan Moron)に到達する。 長江という鏡が、中国経済の急成長と大きな変化を映し出している。竹内監督は、中国社会の急速な発展と中国の雄大な山河を映し出す質の高いドキュメンタリーを撮り続け、中国の観客の心をつかんでいる。 竹内氏は2021年、米誌ニューズウィーク(Newsweek)の「世界が尊敬する日本人100人」に選ばれた。また「第12回中国ドキュメンタリ一アカデミ一賞」にもノミネートされた。 10年前、竹内氏は長江の別のドキュメンタリー映画作品を制作した。しかし、彼はいつも「長江の源流から最初の一滴の水」をつかむことができなかったことを悔やんでいた。それから10年後、彼は今回の映画『劇場版 再会長江』でその夢を叶えた。 『劇場版 再会長江』が日本で公開されると、興行収入1位を記録した。多くの日本の観客は、この映画が表現する中国への視点に感銘を受けた。 この映画について中国外交部の林剣(Lin Jian)報道官は定例記者会見で、「ユニークな視点と優れた撮影技術によって、『劇場版 再会長江』は過去10年間の長江沿いの大きな変化を描き出した。これは新時代の中国の経済と社会の発展の縮図を表した作品だ。監督と主要な登場人物がこの作品の中で表した誠意と善意は、時間、距離、言語、国籍を越えて、さまざまな背景を持つ観客たちの心を打つことができた」と高く評価している。(c)東方新報/AFPBB News ※「東方新報」は、1995年に日本で創刊された中国語の新聞です。