女優歴42年・介護職歴18年の北原佐和子。畑違いのダブルワークと思いきや…「女優と介護の仕事はとても似ている」
厚生労働省が実施した「令和4年 介護サービス施設・事業所調査」によると、介護に従事する職員数は年々増加しており、令和4年度は215.4万人だったそうです。そのようななか「女優の仕事と介護の仕事は似ている」と話すのは、芸能活動のかたわら、介護福祉士や准看護師として現場で活躍する北原佐和子さん。今回は、北原さんの著書『ケアマネ女優の実践ノート』から、北原さんが介護の現場で経験したエピソードを一部ご紹介します。 【写真】「花の82年組」として活躍!アイドル時代の北原さん * * * * * * * ◆女優と介護、実はとても似ています! 今年、還暦を迎えました。17歳で芸能活動を始め、42歳から介護の仕事にも携わっています。 女優と介護のダブルワークに、「?」と不思議な顔をされる方もいらっしゃいます。確かに、まったくの畑違いですものね。 ところが、女優と介護、実はとても似ているのです! 「この役の人物は、今、どんな感情なのだろう」と気持ちを動かし、その役柄になりきるのが女優です。 介護の仕事も、「この方は、今、どんな気持ちなのだろう」と常に相手の心の状態を考えなくてはいけません。 どちらの仕事も、人の感情や思考を理解しながら、コミュニケーションを必要とする仕事。だから、「女優の経験が介護の仕事に役立っている」と感じることはままあります。
◆女優と介護のふたつの仕事どちらも好きで、やりがいがある 介護の現場では、利用者さんが主役で、私は陰のマネジャーみたいな存在です。一方、女優業では、私が表に立つので、もう真逆ですよね。 だからでしょうか、「女優と介護の二足のわらじは、大変でしょう」と聞かれることがよくあります。 でも私の中では、結構バランスは取れているのです。どちらも自分にとっては居心地がよく、やりがいがあります。 たとえば午前中に介護の現場に行って、午後からは着物姿で舞台に立つ、なんてこともありました。振り幅が大きすぎですよね(笑)。 体力的にはギリギリでも、メンタルの切り替えは不思議なほどすんなりできて、むしろメリハリを楽しめていました。
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