【有馬記念】チーム・ベラジオオペラで結束 上村調教師の考え「馬作り=人作り、個人ではなくチームで」
大阪杯でGⅠ初制覇を飾ったベラジオオペラ(牡4歳)が、有馬記念に参戦。管理する上村洋行調教師(51)=栗東=が本紙に独占手記を寄せた。今年GⅠ2勝を挙げ、全国リーディングでも上位につけるトレーナーがグランプリに懸ける思いをつづった。 ◇ サンスポ読者のみなさま、ベラジオオペラを管理するJRA調教師の上村洋行です。今週末の有馬記念に、今年の大阪杯を制したベラジオオペラで参戦します。個人的に一番勝ちたいレースは日本ダービーですが、年末のグランプリレースである有馬記念を勝つことも夢のひとつです。 ファン投票では3位に支持していただき、率直にうれしく思います。天皇賞・秋(6着)は夏負けの影響もあり、いい頃に比べるとふがいなかったですが、今回は1週前追い切りに乗った(横山)和生騎手が「いい動き」と言ってくれましたし、良くなってきていると感じます。 オペラとの出合いは2022年に船橋競馬場で行われた千葉サラブレッドセール(トレーニングセール)の下見でした。見栄えするようなタイプではありませんでしたが、いい意味でロードカナロア産駒らしくない伸びしろがありそうな雰囲気を感じました。緩さは目立っていたのですが、操縦性の良さとレースセンスが抜群に良かったので、新馬戦からいい結果を出してくれました。 大阪杯は自分が思った方向に全体的に成長しているなと感じていた中でのレースでした。馬場状態も考慮して和生騎手がうまく乗ってくれましたね。騎手時代にも2008年スプリンターズS(スリープレスナイト)でGⅠを勝たせていただきましたが、そのときとはまた違う喜びでした。ジョッキーはその場限りですが、調教師はずっとその馬の過程を見てきていますからね。喜びが大きい反面、騎手とは違ってGⅠホースを管理する責任の重さを感じています。 厩舎開業6年目で今年はJRA43勝を挙げてリーディング7位。まだまだ取りこぼしている部分はありますが、阪神JFをアルマヴェローチェで勝てたように中身が濃いですし、勝ち鞍は着実に毎年上回ることができています。いつも頑張ってくれる馬とオーナー、スタッフに感謝しかありません。 厩舎経営で意識していることは〝馬作り=人作り〟です。個人ではなくチームでやっているので、より結束を深めることが大切だと考えています。そのため、毎週火曜日の調教終わりには、スタッフ全員でミーティングをしています。馬の入退厩の状況や、どのレースに使うかなどの方針を全員で確認し、自分のやりたい調教を理解してもらっています。一丸となって同じ方向を向けていることが、厩舎の成長につながっていると感じています。