2024年「世界で最も美しい美術館」に広島・下瀬美術館が選出。ユネスコで創設された建築賞「ベルサイユ賞」7施設のリストが発表
ベルサイユ賞(世界ベルサイユ賞機構)は、著名な建築家や哲学者らの審査で選出される世界的建築賞。「Museums」(美術館・博物館)のカテゴリで、広島県大竹市の下瀬美術館が選出された
国連教育科学文化機関(ユネスコ)本部で創設されたベルサイユ賞(Prix Versailles)の「世界で最も美しい美術館(The World's Most Beautiful Museums)」リストが6月13日に発表され、広島県大竹市の下瀬美術館が選出された。 ベルサイユ賞(世界ベルサイユ賞機構)は、創設以来、世界中の空港、商業施設、ホテル、スポーツ施設など7つのカテゴリーを対象に、著名な建築家や哲学者らの審査によって選出される世界的建築賞。10周年を迎える2024年には「Museums」(美術館・博物館)のカテゴリーが新設され、下瀬美術館を含む世界の7施設がリストに選出されている。 下瀬美術館は、2023年3月に広島県大竹市にオープンした美術館。世界で活躍する日本人建築家・坂茂が設計。コンセプトは「アートの中でアートを観る。」。水盤に並ぶカラフルなキューブ型の「可動展示室」は、坂氏が瀬戸内の島々から着想し、水の浮力によって配置パターンが変更可能な世界でも類のない展示空間。展示作品の鑑賞とともに、季節の草花が風にそよぐ「エミール・ガレの庭」や、瀬戸内の多島美を望める展望エリア「望洋テラス」の散策も楽しめ、建築とアートを堪能するひとときを過ごすことができる。 「2002年、スイスのムルテンで開催されたExpo.02で、2008年にプリツカー賞を受賞した建築家ジャン・ヌーベルは、湖の表面に浮かんでいるように見える、重さ4000tもの仮設モノリスを初めて思いつきました。宇宙の旅です!ひとりの建築家が考え付いたものは、後にもうひとりの、2014年にプリツカー賞を受賞した坂茂によって拡大され、下瀬美術館で、カラーガラスの壁を持つ8つの可動式展示室の形で実現しました。この壁は反射するプールの水面上で、夜間にライトアップされます。この象徴的な風景は、瀬戸内海の物理的な風景を増幅し、瀬戸内の島々の美しさに敬意を表しています。この構造物は、美術館のコレクションの重要な部分を占めるフランス人芸術家兼デザイナー、エミール・ガレ(1846~1904)のモチーフとなった季節の植物や花の庭園と調和しています。コンセプトの壮大な野心にもかかわらず、訪問者は心地よい規模の天蓋で迎えられます。」(国際ベルサイユ賞機構によるコメント) 2024年「世界で最も美しい美術館」リストには、他にも、A4 Art Museum(中国)、大エジプト博物館(エジプト)、スムリティヴァン地震博物館(インド)、ヘットロー宮殿(オランダ)、オマーン・アクロス・エイジズ・ミュージアム(オマーン)、ポーランド歴史博物館(ポーランド)が選出されている。2024年11月下旬には、最優秀のベルサイユ賞、内装特別賞、外装特別賞が選ばれ、パリのユネスコ本部で発表される。
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