森保Jがピッチ幅を3m縮め、レーザーポインター、ファン乱入、イエロー3枚のハチャメチャな“中国の洗礼”を振り払いW杯王手
来年6月まで続く最終予選で、各チームとも残りは4試合。自動的に2026年の北中米W杯への出場権を得られる2位だけでなく、プレーオフに進出できる3位および4位を巡り、まったく予測がつかない状況となっている。 中国が日本に勝ったのは1998年3月までさかのぼる。21世紀以降は未勝利が続き、最新のFIFAランキングでも15位とアジア最上位の日本に対して中国は92位。敗戦はいわば織り込み済みで、むしろ先発全員をヨーロッパでプレーする選手たちが占めている日本の戦いぶりを、ファンのような感覚で楽しみにしていたのだろう。 先述の『捜狐』は別の記事で、前半34分にピッチへ乱入した男性ファンの行為を「楽しみが台無しになるところだった」と批判しながらこう伝えている。 「グループCでは、圧倒的な強さを誇る日本を除いて何でも起こりうる。その意味でも3位もしくは4位に入り、プレーオフ進出を目指す中国にとって、日本に喫した敗北は実は何でもない。サウジアラビア、豪州、インドネシア、バーレーンとの対戦を残す今後の試合で、日本戦の調子を維持すれば目標を完全にあきらめる必要はない」 日本戦が行われた福建省の廈門白鷺スタジアムは、左右のタッチラインが通常の約1.5mも内側に引かれていた。日本のパスワークを封じ込めようとしたのか、国際サッカー連盟(FIFA)の規定ぎりぎりまでピッチを狭めたが、左右からのCKでゴール前の味方へ狙いをつけやすくなる逆効果となってしまった。 前半途中にはGK鈴木彩艶(22、パルマ)の頭部へ、レーザーポインターと思われる光線があてられ、怪我につながりかねないラフプレーなどで3枚のイエローカードも提示された。強がりとも受け取れる中国メディアの論調だが、実際には日本との実力差を素直に認め、畏敬の念を込めたものと見ていいだろう。 アジア最終予選は年内の日程をすべて終え、次回シリーズは来年3月まで空く。首位を独走する日本はバーレーンを埼玉スタジアムに迎える3月20日の次節に勝てば、3試合を残して8大会連続8度目のW杯出場を自力で決められる状況を手繰り寄せた。 一方の中国は敵地でサウジアラビア、ホームで豪州と、前半戦で敗れている難敵との連戦が待つ。正念場の結果次第では、現状ではセットプレー時の守備にとどまっている、クロアチア出身のブランコ・イバンコビッチ監督(70)への注文が、3連敗を喫したときのように、進退を含めた逆風へと一変する可能性は決してゼロではない。