バレリーナの美しさを支えるものとは? 「体型を気にしすぎて踊りどころではなくなる子もいます」
ルッキズム批判の一方で美容整形の流行など、「美」の概念がゆらぐ現在。全身を使って美を表現するバレエの世界にも影響はあるのでしょうか? 3人のバレリーナにお話を伺いました。 美しい人へ
頭のてっぺんから指先、足先まで、全身を使って心情を美しく表現するバレリーナたち。 ルッキズムが批判される一方で、美容整形が流行りSNSでの自己アピールが過熱する現在、「美」の概念のゆらぎはバレエの世界にも影響しているのでしょうか。 バレリーナ経験のあるジゼルさん(32)、クララさん(28)、オーロラさん(27)さんに、バレリーナにとって美しさを尋ねました。優雅な白鳥も水面下では足掻いているようです。
美のために身長も体重も厳しく制限されてきたバレリーナたち
── 本日はバレエやミュージカルなど身体で美しさを表現してきた皆さんに、「美」についてさまざまなお話を伺いたいと思います。まずバレリーナというと、あの細い身体で跳んだり跳ねたり……体型管理が大変だと思いますが、実際はどうなのでしょうか。 クララ 最近は少々ゆるくなったと思いますが、以前はカンパニーによって「身長は〇〇cm以上」と決まっていました。そして、日本のバレエ界では特に「細いにこしたことない」という意識があります。 オーロラ 私は15歳からロシアのバレエアカデミーに留学したのですが、アカデミーには身長に対する体重の表があり、それを超えると受けられない授業が出てきます。 そのラインを越えるのが怖くて仕方がなく、自主的に食事制限をしてしまったんですね。その時は細いことが一番いいと思い込んでいました。