バレリーナの美しさを支えるものとは? 「体型を気にしすぎて踊りどころではなくなる子もいます」
── ロシアでも日本でも体型管理は厳しいのですね。クララさんとジゼルさんはどうでしたか。 クララ 私の場合は、太らない体質だから向いているかもしれないと母の勧めで近所のバレエ教室に通い始めたのですが、思春期の頃から普通に太るようになって、食事制限をするようになりました。管理栄養士さんがついて、お弁当とかも全部グラムで計算されていました。 ジゼル 私は途中からミュージカル俳優の道に進んだのでサイズに関してはそこまで悩みませんでした。 ただ、周囲には体型を気にして拒食と過食を繰り返して、踊りどころじゃなくなっちゃう人も少なくなかったです。まだ若い頃は視野も狭く、「私にはバレエしかない」と思い詰めてしまうので余計かもしれません。
クララ まさに私がそうでした。高校から芸術系のバレエコースに行っていたので、生活のすべてがバレエ。 周囲のみんなが体型を非常に気にしていたので、自分も十分細いのに他の子と比較して太っていると思い込んでいました。 ── 子どもの頃から痩せていることが正しいと言われ続けるのはかなり辛いと思います。細さ以外でも、外見において気にすることありますか? ジゼル 手足が長いと表現力があるように見えるんです。これは経験則ですけど、実力が拮抗していたら手足の長い方が美しく見えて賞レースでも勝てる。そしていい役にも選ばれると思います。 オーロラ 私は中学生の時にすでに身長が162cmを超えており、手足も長く、体型的には恵まれていたのですが、実はそれがコンプレックスにつながってしまいました。 ── それはなぜでしょう? オーロラ 「自分には体型しか取り柄がないのではないか」と思い込んでしまったんです。それで体型だけは維持しなければと食事制限をしすぎて、摂食障害のような状態になったことがあります。 心配して支えてくれた友人のおかげもあり、大事には至りませんでしたが、克服するまでに10年近くかかりました。 ジゼル 何がコンプレックスになるかは本当にわからないですね。