京都国際、甲子園優勝校史上最も狭いグラウンドで築き上げた「堅守」、優勝の背景にあった超個性的練習の数々!【主筆・河嶋宗一コラム『グラカンvol.34』】
皆さん、こんにちは!! 『高校野球ドットコム』の河嶋です! 今年の甲子園は京都国際が初優勝を決めました。 改めておめでとうございます。 【動画】京都国際の練習に密着!名手を次々と生み出すボール回しとは… 2021年センバツで初めての甲子園に出場した京都国際は初出場初勝利を挙げ、さらに夏には甲子園ベスト4入り。そして優勝した今年の甲子園は6勝。わずか4年間で甲子園10勝を挙げ、超強豪校の仲間入りを果たしました。 京都国際は定期的に取材に協力いただいている学校で、非常に嬉しく思いました。京都国際のチームカラーは「堅守」。今年の甲子園では6試合で6失点、そのうち完封勝利が3試合と鉄壁の守備を誇る京都国際の原点を取材から振り返っていきたいと思います。
甲子園優勝校史上、最も狭いグラウンドで練習する京都国際
おそらく甲子園優勝のチームの中では、最も狭いグラウンドで練習をしているチームかもしれません。 近年、甲子園優勝している慶應義塾、仙台育英、智辯和歌山、履正社、大阪桐蔭のグラウンドを訪問したことがありますが、練習試合ができる専用グラウンド、雨天練習場があります。一方、京都国際にも雨天練習場こそあるものの、グラウンドはレフト70メートル、ライトが60メートルほどの広さしかありません。2021年11月に訪問してその狭さに驚きました。グラウンドに足を踏み入れた時は少年野球のグラウンドという印象がありました。 ノックの打球を見ると不規則なはね方をしていて、捕りにくいように見えましたが、選手たちは難なく処理しています。それこそが京都国際の堅守を支えていると実感しました。 京都国際のノックはただのシートノックではありません。わざと落として投げるキャッチボールをしていました。小牧憲継監督は次のように説明してくれました。 「普通、ボールを後逸したら、すぐに拾いにいきますよね?ただ子供の時にボールを抜かれたり弾いたりしたら、拾いにいく習慣がなかった選手がほとんどなんです。落としたらすぐに拾いにいく練習をさせています」 また、ワンバウンドさせながらのキャッチボールもしていましたが、しっかりとした意図があります。 「捕球態勢の時に力を抜いておく練習です。捕球態勢で硬直してしまう子が多いので、投げ手もしっかりと上から叩けなければ、きれいなワンバウンドにならないので、捕球の形、スローイングの精度を高める練習になります」(小牧監督)