クラーケン、独自レイヤー2構築にOP Stack採用でオプティミズムから65億円相当の助成金
米暗号資産取引所大手クラーケン(Kraken)は先日、オプティミズム(Optimism)の開発フレームワーク「OPスタック(OP Stack)」を使って、独自レイヤー2「インク(Ink)」を構築すると発表。ライバル取引所コインベースの「Base」、ソニーグループの「ソニューム(Soneium)」、DEX(分散型取引所)ユニスワップ(Uniswap)の「ユニチェーン(Unichain)」などとともに急成長中の「スーパーチェーン(Superchain)」に加わると述べた。スーパーチェーンは、OPスタックを使用したネットワークの集合体で、相互運用性が維持される。 だが、これには見返りがあった。オプティミズム財団(Optimism Foundation)がクラーケンに2500万OPトークン(取引が成立した今年はじめには約1億ドル相当、現在は約4250万ドル、約65億円相当)の助成金を付与することで合意していたことを両プロジェクトは米CoinDeskに認めた。 この合意に基づき、トークンは助成金として一定期間にわたって支払われるとクラーケンは述べた。OPトークンは、CoinGeckoによると1月1日には3.99ドル付近だったが、契約が締結されたと思われる時期の2月20日には最高値の4.06ドルに達した。現在は1.70ドル前後で推移している。 オプティミズム財団は、合意したトークン数は認めたが、それ以上のコメントは控えた。 Inkの責任者アンドリュー・コラー(Andrew Koller)氏によると、助成金の規模はスーパーチェーンに加わっている他のプロジェクトと同程度という。 「最初に、助成金の規模を提案したのはオプティミズムで、他のスーパーチェーンへの参加者が付与されたものときわめて一致している」と同氏はCoinDeskに語った。
拡大するオプティミズム「スーパーチェーン」
この1年で、イーサリアム・エコシステムにはレイヤー2ネットワークが次々と登場している。特にOPスタックを採用したレイヤー2としては、コインベースが2023年8月にBaseを立ち上げ、人気を集めている。DEXのユニスワップはユニチェーンの構築を発表、ソニーもソニュームを発表して注目を集めている。 AIのパイオニアとして著名なサム・アルトマン氏が手がけるブロックチェーン・プロジェクト「ワールド(World)」は、虹彩スキャン機能を備えた端末「オーブ(orb)」で物議を醸しているが、8月にOPスタックを採用したレイヤー2「ワールドチェーン(Worldchain)」を稼働させた。 米CoinDeskが当記事を掲載したあと、オプティミズム財団の最高グロース責任者(Chief Growth Officer)ライアン・ワイアット(Ryan Wyatt)氏は、この合意には「Inkのエンジニアリングを支援するための500万OP、大規模なトランザクションを促進するための2000万OP」が含まれているとXに投稿した。 「開発者への投資を止めるつもりはない」と同氏は続けた。 クラーケンのコラー氏によるとオプティミズム財団からの助成金は月ごとのトランザクションに基づいており、「達成するごとに、一部が解除される」という。 Baseは、このプログラムの最初の1社であり、設定が若干異なる。Baseは2023年8月のぶログで、6年間にわたってOPトークン供給量の最大2.75%を受け取ると明らかにしている。OPトークンの総供給量は現在43億近くにのぼり、Baseは最大1億1800万OPトークンを受け取ることになる。 スーパーチェーンにおける新しいレイヤー2についてコラー氏は「Baseに続いて、スーパーチェーンの参加者は皆、アクティビティの促進に取り組んでいる」と述べた。