個人事業主「まさか領収書を1枚1枚見ることはないよね?」…⇒いいえ、そのまさかです。税務調査官の“目のつけどころ”に驚愕【税理士が解説】
税務調査で調査の対象となる書類
税務調査でチェックされるのは、領収書だけではありません。他にも調査の対象となる書類がありますので、覚えておきましょう。 -------------------------------------- <領収書以外で調査対象となる書類> ●確定申告での申告書類 ●帳簿書類 ●請求書 ●契約書 ●パソコン ●通帳 -------------------------------------- ■確定申告での申告書類 確定申告時に税務署に提出している申告書類全般は、税務調査でも調査の対象となります。 ●法人税申告書(所得税申告書) ●消費税申告書 ●決算書 ●内訳書 ●概況書 ●給与支払報告書 ●源泉徴収簿 ●源泉徴収票 これらの書類が必要になりますので、税務調査の事前報告があったら準備しておくようにしましょう。 ■帳簿書類 帳簿書類として必要になるのは、仕訳帳、総勘定元帳、現金出納帳です。事前に税務署内で行われた準備調査や当日のヒアリングを基に、税務調査官が目を通していきます。帳簿がない状態だと、無申告加算税または過少申告加算税に10%を加重されてしまいます。負担が大きくなりますので、注意しましょう。 ■請求書 請求書は、支払の請求書と売上の請求書の双方が対象となります。請求書だけでなく、見積書や注文書もチェックされる場合があります。見積書を作成したにも関わらず、実際の受注に繋がらなかったという場合は、その旨がわかるように記載しておくと安心です。事実がそうならば大きな問題にはなりませんので、誰が見てもわかるようにしておきましょう。 ■契約書 業務に関する仕入れや受注、業務委託の契約書はもちろん、事務所や社宅の賃貸借契約書もチェックされます。契約書の内容だけでなく、作成された日付や紙の劣化状態、「作成者は不自然ではないか」「印紙の貼り忘れはないか」といった点がチェックされています。手書きかパソコンで作成されたものか、といった点は問題ではありません。どのように作成されたかというよりも、やはり重要なのは中身になると覚えておきましょう。 ■パソコン 近年ではパソコンを使って経理管理をしている企業も多いので、紙資料だけでなくパソコンも調査の対象となります。帳簿をデータで保存している、データ量が膨大になる、という場合には、データの提示を求められるかもしれません。「パソコンの中に疑わしいファイルがないか」「同じファイルが複数ないか」「ゴミ箱に怪しいファイルはないか」「保存日に不自然な点はないか」などが見られています。 ■通帳 業務で使用している預金通帳も税務調査の対象となり、お金の流れがチェックされます。帳簿などの書類は事業者が作成するものですが、銀行通帳は金融期間が作成しているものとなり、改ざんしにくい資料だからです。「通帳まで見せなくてはいけないのか?」と不快に感じるかもしれませんが、事業用の通帳は見せなくてはいけません。ただし個人用の通帳は、事業に使用していない物であれば提示する義務はありません。