日本ハムの斎藤佑樹が楽天との練習試合で大炎上、ローテ争い一歩後退
日本ハムの斎藤佑樹投手(28)が21日、沖縄・名護で行われた楽天との練習試合で2番手としてマウンドに上がったが、2回を7安打5失点(自責3)の大炎上。エラーが絡むという不運も手伝ったが、同一リーグを相手に新しいスタイルが通用せず、開幕ローテ争いへ一歩後退となった。 「結果にこだわる」と、背水の気持ちで4回からマウンドに上がった斎藤だったが、先頭の4番ウィーラーにいきなり抜けたツーシームをかするようにぶつけてしまう。続く今江には動くボールを引っ掛けてさせて、打球はショートの正面。「6-4-3」のゲッツーにおあつらえむきの凡打だったが、なんとルーキーの石井がトンネルしてしまったのだ。 無死一、三塁。ピンチを抜け出す力は、今の佑ちゃんにはなかった。 ここから島内、聖澤、三好、足立に4連打。すべて打たれたのは、ストライクゾーンに甘く入ったツーシームやフォークの変化球。「インサイド」、「ツーシーム」を使う攻めの投球が今季の新しいスタイルだったはずだが、ウィーラーにぶつけたことで、もうぶつけられない、という微妙な心理状態が生まれ、コントロールを乱してしまったのだろうか。 次の回には、先頭の銀次に右中間へ二塁打を放たれ、続く代打・アマダーに、また小さく動かそうとした変化球をいとも簡単にレフトスタンドへ運ばれてしまった。 カウントを追い込んでからの痛打も目立った。 「追い込むまでは甘め、追い込んでからは厳しく」が配球の原則だが、それができないのは、明らかな球威不足とコントロールの精度のなさ。この試合まで実戦2試合で、4回を投げて自責点0に抑えてきたが、結果、内容、共に厳しい現実を突きつけられる49球となってしまった。 試合後、栗山監督は、「佑樹にとっては凄く(打たれたことで課題が生まれて)よかったと思う。ボールは悪くない。ボールがよくなってくることで、ああいう組み合わせ(エラー絡み)になったとき、自分で投げ方を考えないと、ああいうこと(大量失点)が起きると、わかったことはよかった。ボールがよくなってきたことと、結果を収める(出す)ということは違うことなんで、その中で自分で(課題を)整理していければいい。逆に最初にああいうことになった(大炎上)のは、いいことだと思う」と、練習試合で多くの課題が生まれたことを前向きに受け止めていた。 まだ、この1試合だけで、ローテー失格の烙印は押さない、という姿勢だ。 それでも、昨年は未勝利のピッチャーである。ブルペンとマウンドのボールの質が一致しないという問題は深刻だ。背水のシーズンを迎える斎藤佑樹が、この球威や変化球のキレのレベルでは、よほどのコントロールと、強いメンタルに支えられた投球術がない限り通用はしないだろう。さらなるブラッシュアップが急務となった。