53歳イラストレーターが<更年期外来>に行ったら想定外の問診結果が…「元気にならなければ!」と焦るより「大きな病気がない」を目指すのも大切
内閣府が公表している「男女の健康意識に関する調査報告書」によると、40歳以上で何らかの更年期障害を抱える人の割合は、女性が約36%、男性が約20%だそう。40~50代は体調に変化があらわれる時期ですが、53歳でひとり暮らしをしているイラストレーターの柿崎こうこさんは「手をかければ、肌も体もまだまだ反応してくれる」と、健康のために努力を続けています。そこで今回は、心身健やかに過ごしていくためのさまざまな工夫が綴られたイラストエッセイ『50歳からの私にちょうどいい美容と健康』から、一部ご紹介します。 【イラスト】気軽にたたこう「更年期外来」の扉 * * * * * * * ◆更年期外来で今より少し元気になる 一般的に、女性の場合は閉経前後の10年間が更年期にあたります。 この時期、卵巣ホルモンであるエストロゲンの分泌量が急激に減ってくることで、心身に症状が現れ、病気のリスクも上がるといわれています。 私の場合は現在進行形で、いちばん顕著なのはホットフラッシュ。急に暑くなったり寒くなったり、そのたびに服を脱いだり着たり……これがじわじわとストレスに。 友人の中には、夜中に悪寒で目が覚め、汗だくで一晩に何度も着替えるため常に寝不足という人もいます。 それに比べたら軽いほうかもしれませんが、冷えや倦怠感など、更年期らしい不定愁訴がいろいろです。 これまで、漢方を取り入れてなだめながら過ごしてきましたが、少しずつ仕事の捗りにも支障を感じるように。 もう少し元気になりたくて、この1年の間に更年期外来を二度受診しました。 今の状態を客観的に知りたかったこと、気になっていたHRT(女性ホルモン補充療法)や、ほかに取り入れられることがあれば相談をしたいと思いました。
◆二度の更年期外来受診 一度目の受診は総合病院の更年期外来です。 問診からはじまり、血中のE2(エストラジオール)とFSH(卵胞刺激ホルモン)、2種類のホルモンの数値を調べる「女性ホルモン検査」を受けました。 具体的な数字は割愛しますが、検査の結果は「E2は限りなく低く、FSHが上がっている」という更年期の典型的なものでした。 年齢的に、今後はホルモンの分泌量も減っていく一方なので、HRTを試してもいいと思うけれどマストではないという先生の診断に、このときは自分の不調が治療に値するのか、それほどのことではないのか迷い、治療に進むことを選べませんでした。 それから半年後、やっぱり体調が思わしくなく、セカンドオピニオンのつもりで別のクリニックを受診。 治療を受けるためには、事前に子宮がん検診が必要なため、女性医師のいるクリニックを選びました。 問診で、いちばん体調がつらかった時期を聞かれました。 40代後半であったことを伝えると、しばし問診票と私を交互に見て、先生がこうおっしゃいました。 「どうにもならないほどつらいと、楽になりたくて(病院に)来ずにはいられなかったという方が多くて。もしかすると柿崎さんは、これまで不調とうまく折り合いをつけてこられたのではないですか?」 “つらさ”の受け取り方は、人によります。 でも、たしかに日常生活に支障が出るほどであれば、もっと早くすがるように受診をしていたかもしれません。 また、もし治療をはじめたら、約3か月おきに定期検診が必要になります。最初の検査では、一瞬、定期検診の手間と今のつらさを天秤にかけてしまいました。 結局踏みとどまったということは、そこまでではなかったのかも……と今は思います。
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