【オートレース】地元の黒川京介が9度目挑戦でSG初制覇、1度目フライングも完全V/川口SG
<川口オート:日本選手権>◇SG◇最終日◇4日 1度目のスタートでフライングを切った黒川京介(26=川口)が、2度目トップスタートで押し切って優勝した。9度目のSG挑戦で初制覇を完全Vで決め、33期では初のSGタイトルを獲得した。2着は青山周平、3着に中村杏亮。なお黒川はこのフライングで、規定により来年の日本選手権は出場できなくなった。 待ちに待ったガッツポーズだった。黒川京介が17年7月のデビューから7年4カ月、9度目のSG挑戦で念願のビッグタイトルを手にした。ただ、そこにたどり着くまでの道は、平たんではなかった。 1度目のスタートで黒川がフライング。いきなり試練が訪れた。「いやあ、申し訳なかったです。スタートの切れ自体はすごく良かったので、(2度目のスタートも)しっかり切ろうと思いました。スタートタイミングの出だしは遅かったけど、何とか残せました」。2枠から青山周平がトップスタートを狙ってきた。1枠の黒川が何とか突っ張って出て、最初の1コーナーを先に回ってまずは逃げ展開を作った。 「(1周1コーナーは)いつもは引いてしまうんですが、今日は引かないと決めていたので、どうにか持ちこたえた。いつも序盤にやられてしまうので、インコースを早く走るよう一生懸命練習した。そのイメージ通りに走りました。タイヤもすごく食い付く感じがありましたし、乗りやすくて直線もすごく伸びていくエンジンだと思いました」 試走は3秒30ながら、競走車の仕上がりは抜群。思惑通りの展開だった。ただ、青山が試走3秒26のエンジンパワーで猛追してきた。抑える黒川、追う青山。8周回目あたりで少し青山との差が開き始めた。 「残り2周で少し離れたので、ペース落とさないように走れば、もしかしたら優勝できるのではないか、と思っていました。優勝の瞬間は、すごくうれしかった」。そして、ついに走行中のガッツポーズを解禁した。 「ガッツポーズはSG優勝した時に、と決めていた。フライングして迷ったんですけど7年分、思い切り挙げました。デビューする時に(SG制覇の時にしようと)思ったので、ここまでかかってしまった。地元で(ガッツポーズ)できるのは最高でしたね」。封印を解くとゴール後、万感の思いで何度も拳を大きく突き上げた。 ヒーローインタビューでは開口一番「まずはフライング、申し訳ございませんでした」とファンに向けて謝罪もした。ポケバイレース出身で、川口オートの走路も小さなころに走っていた。その体験もあってオートレーサーを志した。「子どものころからの夢が、川口オートで一番大きな大会『スーパースター王座決定戦』で優勝したい、だった。そこに向かって1走1走、気を入れ直して頑張っていきたいと思います」。次の目標はSS王座戦優勝だ。来月、年末の地元で、一番取りたいタイトルも取りにいく。