「玉木雄一郎首相」立民重鎮のウルトラC案も困難か 首相指名選挙、薄氷の石破首相選出
衆院選を受けた次の首相指名選挙では、自民、公明両党で過半数に届かないものの、石破茂首相(自民総裁)が再び制する可能性が高まっている。キーマンとされる国民民主党の玉木雄一郎代表が立憲民主党の野田佳彦代表を支持せず、相対的に首相に有利な状況ができるからだ。ただ、選挙の行方を詳細に分析すると、首相と野党側との差はごくわずか。これを踏まえ、立民重鎮は野党連合政権に望みを託し、玉木氏に最初から抱きつく「ウルトラC」案を提案するが、これも実現可能性は低い。 【写真】「もっと下に…下に」“半ケツ”状態でビラ配りをするボランティア女性 ■30年ぶりの決選投票へ 今回の衆院選で、与党は派閥パーティー収入不記載事件の逆風を受け、自民(191)、公明(24)の合計215しか得られなかった。自民は事件との絡みで非公認とした旧安倍派幹部を含め、6人の無所属を同じ会派に加える見通しだが、それを足しても、233の衆院過半数には12足りない。 一方、立民は躍進したとはいえ、獲得議席は自民を下回る148にとどまった。衆院の首相指名選挙で過半数を得るには、他党などから合計85以上を集めなければならない。 今回の首相指名選挙で、自公はそろって首相に投票する方針だ。一方、野党は共産党(8)、社民党(1)が野田氏に投票する可能性を示唆。れいわ新選組(9)の山本太郎代表は、立民が消費税率を5%に引き下げる案を飲めば野田氏に投票すると言及している。ただ、立民が社共にれいわまで取り込んだとしても、過半数には67足りない。 「是々非々」を標榜する国民(28)と維新(38)は、最初の首相指名選挙でそれぞれの党首に投票する方向で、首相も野田氏も過半数に足りない。 衆院規則では、1回目の投票で投票総数の過半数を得た候補がいない場合、上位2人による決選投票を行うことを定めている。現在は、首相も野田氏とも初回に過半数を得られる見通しはない。 決選投票となれば、社会党の村山富市委員長が、野党だった自民、新党さきがけの支持を受けて首相に指名された1994年以来、30年ぶりとなる。 ■ギリギリ石破首相が続投