「玉木雄一郎首相」立民重鎮のウルトラC案も困難か 首相指名選挙、薄氷の石破首相選出
一方、首相は自公と自民系無所属を足して221。参政、保守両党を足したとしても227が限界だ。れいわや野党系無所属が石破首相の誕生阻止を優先する可能性は高く、これらを総合すると、計算上は野党連合の「玉木首相」が誕生する。
ただ、このプランは非現実的との見方が多い。そもそも、維新は社共やれいわと共闘してまで玉木政権の誕生を求める可能性は低い。維新が自公政権との「部分連合」に作戦を切り替えれば、今度は維新が政権運営に強い影響力を及ぼすことができるからだ。
加えて自民の四役経験者は、「参院の勢力図を考えれば、簡単に野党連合政権など作ることができない」とも指摘する。
参院では自公が過半数を制している。野党政権が衆院で法案を可決しても、自公が参院でことごとく否決することが可能だ。野党側は、参院で否決された法案を衆院で再可決できるだけの3分の2以上の勢力はなく、法案は簡単に廃案になる。法案がほとんど通らず、国会が機能不全となる事態も想定される。
変数は多いが、現時点では僅差で石破首相の続投が決まる可能性が高い。ただ、裏返すと、石破首相を支えた勢力が、今後ごく一部でも協力しない方針に転じれば、衆院では簡単に内閣不信任決議案が可決されるという「ガラス細工」の構図も浮き上がってくる。
自民四役経験者は「結果的に、首相が来年夏の参院選までにもう一度衆院を解散するか、退陣せざるを得ない状況に追い込まれるのではないか」とも指摘する。(水内茂幸)