「玉木雄一郎首相」立民重鎮のウルトラC案も困難か 首相指名選挙、薄氷の石破首相選出
決選投票は、より多く得票した候補が首相に指名される決まりだ。
基礎票は、首相が自公に無所属を加えた221。対する野田氏は立民と共産も加わると仮定すると、156となる。
国民の榛葉賀津也幹事長は10月31日、自民党の森山裕幹事長と会談し、首相指名選挙の決選投票でも、国民は「玉木氏」と書く方針を伝えた。国民の28票は無効扱いとなり、首相と野田氏の差は縮まらない。
また、維新の馬場伸幸代表も、自民と立民どちらにも「軍配を上げることはできない」と語る。ただ、馬場氏は首相指名選挙の対応は野田氏と政治改革に関する協議を踏まえて判断する意向を示し、現時点では立民への協力を完全に否定していない。
仮に維新が決選投票で野田氏に加担しても、野田氏の得票は194。ここに小選挙区で自民に勝利した野党系無所属や社民、れいわを足したとしても、まだ首相には10近くの差がある。
少数政党の参政党(3)と日本保守党(3)はどうなるか。両党は憲法改正や原発など、国の根幹政策が大きく異なる立民を支持する可能性は極めて低い。 この結果、不安定な少数与党ではあるが、首相が選挙を制し、第2次石破内閣が発足する流れだ。
■「玉木首相」のウルトラCは困難か
「『野田首相』の可能性は厳しくなったが、野党連合政権の可能性は完全には消えていない」
立民の重鎮議員は、「ウルトラC」の秘策に言及する。
立民が「野田首相」を当初から諦め、首相指名選挙の最初の投票から、玉木氏に投票するというプランだ。立民と国民は同じ民主党の流れを組み、連合を支持団体に持つ共通項があることも踏まえている。
こうなると、決選投票に残るのは、首相の対抗馬として、立民と国民で176を積み上げる玉木氏となる。仮に決選投票で立国に加え維新も共闘した場合、3党合わせた合計は214。これに共産、社民が、玉木氏との政策の距離を無視して「自民を倒す」という一点で加担すると、玉木氏は223を集めることになる。れいわや野党系無所属も加味すれば、衆院過半数の233も超えていく。