立法院、国会改革法案巡り深夜国会へ 場外には市民200人超が集結/台湾
(台北中央社)国会改革法案を巡り、21日の立法院院会(国会本会議)は徹夜も辞さない深夜国会になる見通しとなった。この日の審議で、与党・民進党が延会を求める一方、国会改革法案の全ての審議が完了するまで会議時間の延長をすることを求める第1党の国民党と第3党の民衆党の提案が賛成多数で採択された。立法院前には約40の市民団体のメンバーら計200人超が集結し、国民党や民衆党に対し、人々の訴えを直視するよう声を上げている。 20日に民進党の頼清徳(らいせいとく)氏が新総統に就任した台湾。一方で立法院は民進党が国民党の議席を下回っており、“ねじれ”状態となっている。国会改革法案を巡り、民進党は実質的な審議が行われていないなどとして、これまでに何度も延会を提案してきたものの、いずれも否決された。17日には強行採決を図った国民党と、これを阻止しようとした民進党の立法委員(国会議員)の間で激しい衝突が起こり、議員6人が病院に搬送された。 この日の審議では衝突は起こらなかったものの、与野党議員がそれぞれのスローガンを叫び合った。午前の審議では立法院職権行使法改正案の五つの条文のみが採決の末に第2読会(3段階審議の2番目)を通過。答弁者に対して反問を禁じる他、例外を除いて答弁を拒否したりするなどの議会侮辱行為を禁止する内容が規定された。違反者には20万台湾元(約97万円)以下の過料が科される。審議は休憩を挟んで21日午後2時半に再開された。民進党は3度にわたり延会の動議を出したものの、国民党や民衆党によって否決された。 立法院前に市民団体が集結する中、警察は立法院周辺に警察官約200人を配置し、治安維持に当たっている。 (王揚宇、陳俊華/編集:名切千絵)