特売日になると冷蔵庫がパンパンになるまで「買い物」をしてくる母。80代の父と「二人暮らし」なので、食べきれずにむしろ無駄になってしまっていませんか?
特売日になるとお得だからといって、冷蔵庫がぎっしり詰まるまで買い物をしてしまう人もいるでしょう。そのような姿を見て「本当に全部食べきれるのかな」と心配になった経験をしている人もいるのではないでしょうか。特に高齢のご両親が二人暮らしの場合、大量の食材が消費されずに捨てられてしまう可能性があります。食品の廃棄は「食品ロス」と呼ばれる問題の一端を担っており、私たちの家計や地球環境にも大きな影響を及ぼすのです。 本記事では、家庭から発生する食品ロスの現状やその影響について考えるとともに、食品を残さず使いきるための具体的な工夫や、節約につながる買い物術を紹介します。少しの意識改革で家計にも優しく、地球環境保全にも貢献できる方法を一緒に学んでいきましょう。 ▼4人家族で食費「月8万円」は高い? 1人当たりの“平均”もあわせて解説
食材を食べきれないと発生する食品ロスとは
食品ロスとは、本来食べられるはずの食品が、さまざまな理由で処分されることを指します。節分商戦で売れ残った恵方巻きや、コンビニ弁当の廃棄がニュースになるケースもありますが、実は家庭から発生する食品ロスも深刻です。お得な食品を買い込んで冷蔵庫に詰め込み、消費できずに賞味期限を迎えて捨ててしまう経験をしている人も多いでしょう。 ■家庭系食品ロスは全体の約47% 食品ロスは「家庭系」と「事業系」に分けられます。家庭系は、料理の食べ残しや、期限切れで捨てられる食材が主な原因です。この割合は全体の47%を占め、家計にも影響を及ぼします。しかし、家庭系は、家庭内での工夫で大きく減らせる可能性があります。 ■日本の食品ロス量は世界の食糧支援量より多い 日本の食品ロス量は国連WFPの食料支援量の約1.2倍に相当します。世界の飢餓や災害支援に回せる食料以上の量が、日常的に処分されているのです。この現実を見つめ、処分する食品を減らす意識を持つことが求められます。
食品ロスは家計にも影響を及ぼす
処分された食品の一つひとつは安価なものでも、積み重なると大きなコストになります。例えば、1週間に数百円の食品を捨てている場合、年間では数万円単位になることもあるでしょう。昨今の物価上昇の影響も相まって、使いきれなかった食品の費用は、家計にじわじわと影響を及ぼしていると考えられます。また、使いきれずに捨てるというのは表現を変えると、お金を捨てる行為とほぼ同義ともいえるでしょう。