あの大陸の名前に由来する星座、清少納言が絶賛した星って、な~んだ?
あなたは何座生まれですか?その星座を夜空で見たことがありますか? 「○○座生まれだけど、そう言えば見たことないなぁ……」というあなたに、まずはちょっといい話を。 あなたのお誕生日の星座は、誕生日の夜には見えません。誕生日から3カ月ぐらい前の宵の空に見えているのです。たとえば4月下旬~5月下旬生まれの「おうし座」なら、ちょうどいまが見頃。 さあ、おうし座生まれの人はもちろん、そうでない人も、今夜はおうし座を探してみませんか?
血走った目の牡牛の姿
前回までにご紹介したオリオン座とおおいぬ座・こいぬ座。 オリオンが2匹の犬を連れて見つめている先(西側)に、赤みがかった色で輝く明るい星があったら、それがおうし座の一等星「アルデバラン」。 そのあたりをよーく見ると、Vの字に星が並んでいます。それが、赤く目をギラつかせた牛の顔。そこから角をはやし、細かな星を結んで上半身を描けば、おうし座のできあがり。 オリオン座、おおいぬ座、こいぬ座、そして、おうし座。 2匹の犬と共におうしに闘いを挑むオリオンの姿に見てもいいし、3匹の野生動物にオリオンが囲まれてしまったと見てもいいし、オリオンが3匹の動物たちと楽しくダンスをしているように見てもいい。あなただけの物語を作って楽しみながら眺めれば、この4つの星座がよく覚られると思いますよ。
あの大陸の名前は、おうし座の物語からつけられた!
ギリシア神話では、おうし座は全能の神・ゼウスが変身した姿とされています。 ゼウスといえば、美人と見れば女神だろうと王女だろうとすぐに手を出すという、ギリシア神話一の浮気者。そんなゼウスが、牡牛に変身したわけですから、もちろんよからぬことを企んでいました。 このときのターゲットは、フェニキアの王女・エウロペ姫。 彼女を見て一目惚れしたゼウスは、白く美しい牡牛の姿に変身して、野原で花を摘んでいるエウロペ姫に近づきます。 「まあ、なんて綺麗な牛さんなんでしょう」と、彼女が牡牛を優しく撫でていたところ、牡牛はかがみこみ「どうぞ私の背中に乗ってごらんなさい」という仕草を見せました。彼女はすっかり気を許し、牡牛の背中にそっと乗ってしまったのです。 ゼウスはその瞬間を待っていました。 牡牛はさっと起き上がり海へと走り出し、そのまま海を渡り始めました。エウロペ姫は落とされないよう牡牛にしがみつくのが精一杯。 やがてある大陸に到着すると、ようやく彼女に自分がゼウスであることを伝え、その地で二人は結ばれました。のちに、エウロペ姫が牡牛と共に上陸した大陸ということで「ヨーロッパ」と名づけられたそうです。