原動機付自転車、令和に新生!! スズキ「e-PO」はシンプルさと便利さを突き詰めた新しい電動モペッドだった【試乗インプレッション】
自転車スタイルの原付は令和に再び普及する?
スズキがe-POの公道走行調査を行なった際、四輪ドライバーから「電動アシスト自転車が車道を30km/hで走っている」と誤認されたらしい事象があったようだ。現代では原付といえばスクーターやスーパーカブなどの姿が一般的であり、自転車のような姿で原付ナンバーが付いている乗り物に馴染みがないことは理解できる。 また、電動キックボードに代表される新カテゴリーの『特定原付』の存在も、自転車スタイルの原付一種を紛らわしく見せそう。特定原付は形状の異なるナンバーが付いているとはいえ、小さい自転車の姿をしたものも多いからだ。 これらはe-POが実際に発売されて、自転車スタイルの原付一種が普及していくことで解消されていくものだとは思うが、まずは色々な乗り物が公道には混在しているのだという事実を、改めてドライバーもライダーも再認識する必要があるのかもしれない。 ──確かにぱっと見は自転車が普通に走っているように見える。これは見慣れてもらうしかないかも。
SUZUKI e-PO[Prototype]
発売時期や価格については未発表。市販することを前提に開発を進めているという。 e-PO(公道走行調査車両) 全長×全幅×全高1531×550×990mm 軸距1144mm 最低地上高173mm シート高780-955mm 装備重量23kg モーター形式直流ブラシレスモーター 定格出力0.25kW 変速機方式外装7段シフト バッテリーNKY594B02・リチウムイオンバッテリー(25.2V-16Ah) バッテリー質量約2.5kg 充電器スタンド型 交流100V 充電時間約5.0時間 充電器質量約1.0kg タイヤサイズ前18-2.125 タイヤサイズ後20-2.125 ブレーキ前ディスクブレーキ(ワイヤー式) ブレーキ後ローラーブレーキ ※スペックは公道走行調査車のもの スズキ e-PO のディテール
──ドライブユニットはパナソニックサイクルテック製で、ベースモデルのオフタイムと同じもの。 ──バッテリーはオフタイムの8Ah(ベーシック仕様)に対し、e-POでは16Ahを搭載する。航続距離は約20kmだという。 ──フロントブレーキはワイヤー式のディスクに換装。 ──リヤブレーキは自転車で一般的なローラーブレーキだ。 ──小ぶりなヘッドライト。灯火類はフルLEDだ。 ──ナンバープレートは保安部品とともにマウントされる。 ──7段ギヤはシマノ製。 ──ロックは後輪側にある。 ──ハンドルバーはフラット形状。ミラーは左右とも装備する。 ──シートは高さ780-955mmの範囲で無段階に調整可能。 ──左手側にウインカースイッチとホーンボタン。 ──スロットルはグリップの内側半分だけ回る。ギヤチェンジも右手で操作。 ──バッテリーを外すにはまず後輪ロックをかけてキーを抜き…… ──キーを差してバッテリーロックを解除。 ──外したバッテリーは16Ahのものでも軽々と持てる。重量は約2.5kgとのこと。 ──メーターは小さくシンプル。速度や距離、パワーモードを表示する。 ──折り畳むときに使うロック解除レバー。かなり固い。 ──こちらはハンドル側のロック解除レバー。 ──ちなみに今回の青い車両はチームスズキCNチャレンジのピットバイクとして使用されたもののようだ。 ──折り畳んだe-POをスズキの軽自動車「スペーシア」に搭載した例。コンパクトなだけでなく、ガソリン漏れの心配がないのもメリットだ。 ※掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。※特別な表記がないかぎり、価格情報は税込です。
●文:ヤングマシン編集部(ヨ) ●写真:長谷川徹