「ただ妥協すれば、従来の自民応援者も離れる」牧原前法相、首相を危惧 自民・落選者会合
10月の衆院選で落選した自民党の牧原秀樹前法相は8日、党本部で開かれた落選者向けの懇談会に出席し、石破茂首相(党総裁)に原点回帰を訴えた。「もう一度自分自身が何をやりたくて首相を目指したのか(を思い起こし)、貫いてほしい」と主張。与党が衆院で過半数を割り込み、一部野党の要求を受け入れざるを得ない情勢も念頭に「ただただ妥協してやってしまえば、従来の自民党を応援していた人も離れてしまう」と危惧も示した。 牧原氏は会合後、記者団に「予算委員会の質疑を聞いていても、首相としてこれをやりたいというのが見えない」と指摘。「外野の目で見ると、その場の対処療法でズルズルといろいろなものを妥協してしまい、結局にどこに行くのかが見えない」と懸念を示した。 牧原氏は、就任直後までの首相について、「地方創生に非常に思いがある。もう一つは防衛だと思っていた」と指摘したが、「それが今は見えにくい」と語った。「首相が掲げた球が少し高過ぎ、無理だという雰囲気になっている。特に安全保障分野(での主張)は後退している気がする」とも言及した。 牧原氏は10月に発足した第1次石破内閣で法相に就任したが、今回の衆院選では埼玉5区で落選した。初出馬した平成17年の衆院選以来、7回連続で立憲民主党の枝野幸男元代表に敗れ、うち5回で比例代表で復活当選していた。11月には次の衆院選への出馬を見送る考えを明らかにした。