6つの建築群を貫く展覧会「150年」開催へ。「ザムザ」のタッグふたたび
再開発によって取り壊しが決定している東池袋の一区画の建築群、全6棟の広大な敷地を舞台に、展覧会「150年」が開催される。会期は1月18日~1月27日(13歳以下入場禁止)。 本展の企画立ち上げは田中勘太郎(監督)と布施琳太郎(脚本)。2022年に新宿区にある製本印刷工場跡地で開催され大きな話題を呼んだ展覧会「惑星ザムザ 」を手がけた2人によるものだ。 「惑星ザムザ」では布施がキュレーションを担ったが、今回は田中が総監督を担当。本展タイトルは田中が発案したもので、田中は展覧会にかかわる作品設置の現場や展覧会の方針を監督する。 このような舞台で開催される本展が相手取るのは、150年「前」や「後」ではなく、ただの時間の量としての「150年」である。それは人類にとっては先祖の顔、あるいは未来の発展といった現実がギリギリで想起できない時間量だ。 参加作家たちによる多様な作品を通じて150年は様々に現実化する。150年が建築群に受肉される。ここで提示されるのは、複数的な時間旅行である。その旅行は、今ここにある建築群の過去に束縛されない。各作家が準備しているのは互いに異なる150年のかたちなのだ。 気が付けば同時代性がたんなる権威づけの手段として使われる今日の現代アートに対して、複数の作家たちが「150年」という時間量を設置する本展は、芸術作品を通じて〈無から傷を生じさせることはできるのか?〉を問う。それは矮小化した現代アートとはまったく別の時間感覚に向けた賭けだ。 ここに集積される異形の時間たちとの出会いによって来訪者のイマジネーションを暴走させること。それが本展の賭けであり、今もまだ芸術に残された可能性だと信じている。(布施によるステートメントより一部抜粋) 展覧会では、戸建て住宅や町工場、複数のオフィスが入居する雑居ビルなど、それぞれまったく異なる空間を持つ6棟の建築群に大穴をあけ、独自の仮設通路を貫通。パラレル状の道や鑑賞導線によってバラバラの建築は壊されながら結び合わされ、ひとつの展覧会を構成するという。 参加作家は、大竹舞人、小野まりえ、加藤広太、黒瀧紀代士、島田清夏、副島しのぶ、髙橋穣、高見澤峻介、田中勘太郎、布施琳太郎、Houxo Que、宮原嵩広、横井菜々、吉田山+orm。