「このままではヤバい…」各地で路線バスが崩壊寸前…いったいなぜ?【#みんなのギモン】
「この度、就労困難者が増加したため当面の間、減便して運行いたします」 記者が住む神奈川県逗子市、逗子駅のバス停にはこのようなお知らせが掲示されていました。就労困難者の増加、つまり、運転する人がいないということです。最新のデータでは、2030年には必要な運転手数が3万6000人分も不足するという試算もあります。全国で深刻な問題になっているバスの運転手不足、それは地方だけでなく東京郊外でも。現場でいま何が起きているのでしょうか。最新事情を追いました。(報道局 調査報道班 川崎正明)
夕方の帰宅時間に間引きされるバス
神奈川県川崎市、小田急線向ヶ丘遊園駅。小田急バスの停留所にある電光掲示板にはこのようなメッセージが流れていました。「乗務員不足のため一部路線を臨時ダイヤで運行しております」 帰宅時間の午後5時過ぎ、田園都市線あざみ野駅方面に向かうバス乗り場には20人以上の行列ができていました。この時間は約10分間隔でバスが出発するのですが、午後5時28分のバスが出た後、40分発が間引かれて運休、52分発まで24分間バスが来ないのです。
女性の利用客 「減便されたらイヤですし困ります。20分近く待つのは大きな問題です」 20代男性の利用客 「自分は車の免許を持っておらず、生活の中でバスの利用が必要なので(便が)減ったら困ります」 小田急バスによると、この路線を運行する登戸営業所管内では9月26日から32便が運休。現時点では運行再開の見通しは立っておらず、今後、運転手の採用状況とダイヤ改正により運行を再開するか検討するとしています。また武蔵境営業所管内では全体の1割弱にあたる167便が運休しているといいます。
大阪の金剛バスは廃止届け
大阪府富田林市。難波から電車で45分程の場所にある大阪南東部のベッドタウンです。この場所に本社を構え15路線(運休中の1路線含め)を運行する金剛自動車は、乗務員の不足や売上の低下などから今年12月20日をもってバス事業を廃止すると発表しました。住民の通勤通学などに深刻な影響を与えかねない、バス事業廃止という決断。運転手不足は深刻な問題となっています。