ハラスメント認定の市長、辞職意向なし 「働きやすい職場をつくる」
【福岡】宮若市の塩川秀敏市長(75)による職員への言動8件が、市議会の調査特別委員会(百条委)でハラスメント行為と認定された。20日に市議会で示された調査報告書では、塩川市長について「人権への配慮が足りない」と指摘し、「身の処し方、今後の行動について改めてご自身で考えるべきだ」とまで迫る内容だったが、市長は職にとどまる意向を示した。 【写真】百条委員会「塩川秀敏市長のハラスメント行為に関する調査特別委員会」の委員長による調査報告を聞く塩川市長=2024年6月20日午前10時10分、福岡県宮若市宮田 市議会閉会後の記者会見の冒頭で塩川市長は、不適切な言葉を投げかけられた職員らに対し「反省しておわびを申し上げる」と頭を下げた。ハラスメントの対象となった職員の一部には直接おわびをしたという。 昨年11月にハラスメント行為が問題視された後、今年1月までに専門家の研修を私費で4回受け、「適切な言葉で話さなければならないという意識ができた」と語る。 不適切な言動をした背景については、「労働者が安心、安全、心地よい環境で働く権利があるという認識が希薄だった」「新しい時代の社会構造に対する理解、法律、あり方についての意識が十分でなかった」と説明した。 一方、職員を傷つけた責任を取らないのかと問われると、「責任を取る一番厳しい方法は、職員が働きやすい職場をつくること」と述べて、辞任する意向はないと表明。そのうえで、職場内でのハラスメント行為の防止と、ハラスメント行為があった場合の対応などを定めた条例を近く制定する意向を明らかにした。(岩田誠司)
朝日新聞社