豪小売売上高が予想以上の伸び、中銀による利上げの根拠強まる
(ブルームバーグ): オーストラリアの5月の小売売上高は市場予想以上に増えた。金利高を背景にした値引きが主に消費を押し上げた。
豪統計局の3日の発表によると、小売売上高は前月比0.6%増となり、伸び率はエコノミスト予想(0.3%増)の倍に達した。4月の0.1%増から加速し、4カ月ぶりの大幅な増加を記録した。
統計を受け、金融政策に敏感な豪州の3年国債利回りは一時4ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇して4.17%。市場で年内の利上げ予想が強まった。株価は上げ幅を縮小した。
小売売上高は前年同月比では1.7%増で、2023年序盤に見られた4-5%の伸びをなお大きく下回っている。金利上昇など生活費を圧迫する要因が個人消費の重しとなっている。
豪統計局の景気統計責任者ロバート・ユーイング氏は小売売上高について、「年度末を控えた早期セールや販売イベントを利用した慎重な消費者」にけん引されたとした上で、「多くの小売業者は、年度末セールを前倒しし、例年より大幅な値引きを行った。生活費の継続的な上昇圧力を受け消費者がなお価格に敏感であることに留意している」と指摘した。
原題:Australia Retail Sales Jump, Boosting Case for RBA Hike (2)、Australia Retail Sales Jump, Boosting Case for RBA Hike (1)(抜粋)
--取材協力:Shinjini Datta.
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Swati Pandey