世界のラグジュアリー層が押し寄せる!? サウジアラビアのオアシス都市、アルウラ
サウジアラビアでは2019年9月、観光ビザが解禁になりました。これまでイスラム教徒の巡礼以外は訪れることができなかった国が、いわば開国! 旅慣れたオヤジさんほど、衝撃を受けるだろうこの国の素顔とは? 第3回は今後、ラグジュアリーホテルが続々とオープン予定の砂漠のオアシス都市、アルウラです。 モテる宿にはワケがある
アマンやシックスセンシズもやってくる! 一流リゾートが目を付けるアルウラ
サウジアラビア初のユネスコ世界遺産、ヘグラの考古遺跡。その拠点となる都市がアラビア半島北西部のアルウラ。リヤドから空路約1時間45分の、砂漠の中のオアシス都市です。 アルウラ空港に着陸し、ふと飛行機の窓の外を見てびっくり。数台の高級車がタラップの前に横付けし、ゲストを待ち構えています。政府要人でも乗っているのかと思いきや、そうでもなく、どうやらVIP対応として日常茶飯事のもよう。そんなオドロキとともに上陸したアルウラ。
ここは今、世界中のラグジュアリーホテルブランドが注目するエリア。これからオープン予定のホテルのラインナップには、アマンやジャヌ(日本についで2軒目)、チェディにシックスセンシズ、オートグラフ コレクション、そして建築家ジャン・ヌーベルが手掛けるホテルも。
どうしてアルウラにそれほどまで耳目が集まっているのでしょう? 世界遺産の考古学的な魅力も大きいですが、砂漠の非日常な大自然の景色、度肝を抜くような屋外アート作品、オールドタウンでの街遊び、そしてリゾートホテル。あらゆる興味のベクトルに対応しています。しかも、楽しませ方のスケールが大きいのです。 まずは神秘のベールに包まれた古代都市遺跡から、その魅力を紐解いていきましょう。
砂漠に忽然と現れる、ペトラ遺跡を築いた民族の第2の都市
アルウラの北東約22キロに位置する、サウジアラビア初の世界遺産、ヘグラの考古遺跡。別名マダイン・サーレハ、またはアル・ヒジュル。砂漠の丘陵地帯に忽然と現れる、紀元前1世紀から紀元後1世紀に栄えた、ナバテア人が築いた古代都市の遺跡です。
あまり聞きなれないナバテア人とは、古代ギリシャなどと交易をすることで隆盛を極めたアラブ系民族のこと。あのヨルダンのペトラ遺跡が彼らの首都です。ここヘグラは第2の都市で、南の拠点だったとか。西暦106年にローマによって滅ぼされてしまい、考古学的資料も少ないため、神秘のベールに包まれています。