【独占】大火災に見舞われた温泉旅館「地域を絶対的に守り抜く」逆境からの復活
斜里町出身、丹羽慎さんの人生も事故で大きく変わった。斜里町の人口は約1万人で、若者の多くは進学や就職で町を出ていく。丹羽さんも事故当時は神奈川・横浜に住み、アパレルの仕事をしていたが、ニュースを聞いてふるさとのことが心配になり、Uターンを決意した。 今も思い出すのは、世界遺産登録に沸いた頃の町だ。「小学生が世界自然遺産の話をするなんて、なかなかない。みんなすごく喜んでいたイメージがある。もう一度、みんなが盛り上がってくれるような出来事を起こせられたら…」丹羽さんはそう話す。
ふるさとへの思いから一念発起した丹羽さんは、去年2月、木々に囲まれた「HOTEL BOTH」をオープン。逆風の中で開業をした理由を、「完全に逆張り。こういう状況だからこそ、やろうというチャレンジ」と笑顔で話す。 建設資金など借金を背負いながらの運営だが、安さにこだわり、相部屋は1人3500円から。家族で泊まれる個室もある。全室で30人ほど宿泊でき、若者を中心に人気だ。
1階にあるレストランの目玉は、地元食材にこだわった「知床鹿肉定食」(2500円)。人気のサウナもつくった。すると宿泊客だけでなく、地元の人たちの利用も増え、ホテルが地域の交流の場として使われ始めた。 今年1月。紅葉シーズンが終わって冬を迎えると、知床の観光業は閑散期に入る。この時期に合わせて、丹羽さんは新たなイベントを企画した。当日は町長も駆けつけ、約250人が集まったが、どんなイベントを仕掛けたのか――。 ※「ガイアの夜明け」より
テレ東プラス