メッセージのやり取りで損しないための「デジタル・ボディランゲージ」入門
テキストメッセージの返信がなかなか来ないことに悩んだり、「絵文字のないメッセージ」の真意を推測しようとしたことがあるなら、それはあなただけではない。 「デジタル・ボディランゲージ(DBL)」とは、テキストベースのオンラインコミュニケーションにおける、非言語的な合図や行動のことだ。物理的なボディランゲージが感情や態度、意図を伝えるように、DBLでも、応答時間、言葉の選択、メッセージの長さ、句読点、トーン、絵文字といったものから、感情などが推測される。 こうした微妙な合図は、私たちがどのような人間かについて多くを語り、その人の関与、関心、あるいは恋愛感情などを伝える。メッセージに対する返信の早さから、メッセージのトーンまで、あなたのDBLは、潜在的な関係の行方を左右する。 オンライン・デートの場合、判断材料は相手のDBLしかなく、それが関係の進展に大きな影響を与える。マッチングアプリのヒンジ(Hinge)は2024年、初めてZ世代のユーザーを対象に、デートのトレンドに関する調査を行なった。調査リポートによれば、Z世代の69%が、誰かとデートするかどうかを決める際に、DBLを頼りにしているようだ。 ここでは、あなたのDBLを強化し、潜在的なパートナーと有意義な関係を構築するための2つの方法を紹介しよう。 ■1. 感情を見せることを恐れない 情緒応答性(Emotional availability)とは、関係の構築にオープンであること、自分の考えや気持ちを喜んで共有すること、潜在的なパートナーと有意義な会話を交わす余地をつくることなどだ。 良いDBLは、こうした情緒応答性を伝えるのに不可欠だ。実際、ヒンジユーザーの77%が、DBLは相手の意図や自分への関心について多くを語ると報告している。 潜在的なパートナーに対して、タイムリーで熱心な反応と、思慮深い言葉を送ることで、潜在的なパートナーの方は、自分の価値が認められており、より深くつながっている、と感じることができる。逆に、遅い返信、素っ気ない返事、一貫性のないコミュニケーションなどのかたちでDBLが悪いと、潜在的なパートナーは、自分は無視された、重要な存在とは見られていないと感じ、信頼関係の崩壊につながる。 例えば、ヒンジユーザーのステイシー・ティルは、一言だけの返信を受け取ったとき、「私は嫌われている。もうメッセージを送るのはやめよう」と感じたという。 また、Psychological Reportsに発表された2023年の研究では、我々が相手に対し、気遣いがあり、反応が良いと感じると、関係の満足度が大幅に高まることがわかった。前向きで魅力的なDBLのパターンを、早い段階で確立すれば、関係を深めるために不可欠な、温かさと安心感という土台がつくられる。 DBLによって情緒応答性を伝える方法を、いくつか紹介しよう。 ・すぐに対応する:メッセージを未読のまま放置したり、説明もなく返信を待たせたりすると、相手に不安を与え、あなたの関心度を疑われることになる。だからといって、24時間365日対応すべきだということではないが、安定的に返信することは、あなたの心がそこにあり、熱心に会話していることを表す ・積極的に関与する:短く一言で答えるのではなく、さらなる対話を促し、一言では答えられない質問を投げかけ、自分の体験を共有し、相手の発言を膨らませよう。これは、あなたがただ受け身で会話に参加しているのではなく、より深くつながろうとしていることを示す ・弱さを見せる:調査によれば、恋愛感情を伝える直接的なアプローチは、曖昧で「安全な」アプローチよりも、デートにつながる可能性が高い。興奮であれ、好奇心であれ、緊張であれ、自分の感情をオープンにすることだ。希望や夢、過去の体験を共有すれば、相手もそれに報いようとしてくれる あるヒンジユーザーは、こう語る。「私だったら、メッセージをたくさん送るけれどもほとんど中身がない人より、メッセージはほとんど送らなくても、メッセージに中身がある人を必ず選ぶ。表面的な会話だと、それ以上の進展がなく、本物のつながりを持つことができない。もちろん、いちばんいいのは、中身のあるメッセージを定期的に送ってきてくれることだ。そういう人がいたら、私はとりこになる!」